BIRTV 2026のDZOFILMブースで最初に注目したのが、新しいズームレンズ「Arles Zoom」だ。Arles Primeと同じシリーズに加わるズームレンズとして参考展示されていたもので、実際に手に取ってみると、その軽さが印象に残った。

担当者によれば、Arles Zoomは「25-75mm T2.6」「65-180mm T2.6」の2モデルで構成され、2本で25mmから180mmまでの焦点距離をカバーするという。Arles Primeとの組み合わせも意識した光学設計やコーティングを採用し、PrimeとZoomを同じ撮影で使い分けても、ポストプロダクションでカラーマッチングしやすいことを特徴に挙げていた。単焦点とズームを行き来する撮影ではルックの違いが気になるだけに、シリーズとしての統一感を意識した設計は実際の制作フローでも扱いやすそうだ。

そして、ブースでもうひとつ気になったのが、チタンカラーの鏡筒を採用したアナモフィックレンズ「Arcana 1.5X」である。32mm、45mm、75mmの3本をラインナップするフルサイズ対応の1.5倍アナモフィックレンズで、いずれもT2.1、PLマウント仕様となる。


ここで面白かったのが、フロントシリンドリカルレンズと楕円形絞りを組み合わせたハイブリッドアナモフィック設計である。1.5倍のスクイーズ比ながら、2倍アナモフィックレンズを意識した楕円形のボケを得られるように設計されている。フレアについても担当者がその場で実際に見せてくれたが、横方向に伸びるアナモフィックらしい表現を確認できた。

さらに目を引いたのがサイズである。従来製品との比較展示を見るとArcana 1.5Xはかなりコンパクトで、思わず「小さい」と声が出た。重量は約700g、全長は80mmに抑えられており、手持ちやジンバルを使った撮影にも組み込みやすい。DJI Ronin 4Dとの組み合わせも想定されている。

DZOFILMブースで印象に残ったのは、Arles ZoomとArcana 1.5Xという方向性の異なる2つのレンズである。Arles ZoomはArles Primeとの組み合わせやポストプロダクションまで含めた運用を意識し、Arcana 1.5Xはアナモフィックらしい描写と機動性の両立を狙う。レンズ単体のスペックだけではなく、実際の撮影スタイルやワークフローまで意識した提案が見えるブースだった。