BIRTV 2026のDULENSブースで注目製品を尋ねると、担当者がすぐに案内してくれたのが、ラージフォーマット対応のシネマレンズシリーズ「APO Cambrian Prime」だった。まず気になったのは、その対応フォーマットである。

APO Cambrian Primeのラインアップは24mm、32mm、40mm、55mm、77mm、105mmの6本。PLマウントを採用し、24mmから77mmまではT2.0、105mmはT2.2となる

ブースにはフルサイズやGFXをはじめ、さまざまなセンサーサイズを比較できるパネルが用意されていた。担当者に「GFXをカバーするのか」と聞くと、それよりもさらに大きなフォーマットまで対応すると説明する。DULENSの製品仕様では、APO Cambrian PrimeはSuper 35、フルサイズ、VistaVision、GFX 44×33、ARRI ALEXA 65までをカバーするシリーズとなっている。

会場のパネルには、ソニーが開発中の、VENICE 2を65mmフォーマットへ拡張するイメージセンサーブロック「RIALTO 65」の撮像範囲も示されていた。「ARRI ALEXA 65 / ALEXA 265を完全にカバー」「ソニー RIALTO 65のラージフォーマットセンサーにも新たに対応」と掲示されており、一般的なフルサイズやGFXだけでなく、65mmクラスの大型センサーまで1セットのレンズでカバーできることをアピールしていた。

ここはかなり気になった。BIRTVの会場ではフルサイズ対応のシネマレンズは珍しくないが、APO Cambrian Primeはさらに大型の撮像フォーマットまで視野に入れているからだ。

ブースでは「MF60 Lens Projector」を使ったデモも行われていた。レンズを通してテストチャートを投影し、イメージサークルや中心部・周辺部の状態などを確認するためのレンズ検査用プロジェクターである。標準レティクルにはSuper 16mm、MFT、Super 35mm、ALEXA 35、Full Frame、RED Vista Vision、ALEXA LF、GFX Frame、ALEXA 65などのフォーマット枠が用意され、装着したレンズがどこまでカバーしているのかを目視で確認できる。

実際に投影されたチャートを見ると、APO Cambrian Primeが持つ大きなイメージサークルと、各撮像フォーマットとの関係を視覚的に確認しやすい。

RIALTO 65は、ソニーが2026年6月3日に開発を発表し、2027年前半の商品化を予定しているイメージセンサーブロックである。会場ではAPO Cambrian PrimeとRIALTO 65の組み合わせについても担当者が説明しており、ARRIとソニーの65mmフォーマットを見据えたレンズシリーズとしてアピールしていた。これほど大きな撮像フォーマットをカバーしながら、比較的コンパクトなサイズにまとめられている点も印象に残った。

さらに別のテストでは、「DULENS APO MiniPrime 85mm T2.4」も確認できた。APO MiniPrimeシリーズはラージフォーマット対応で、公称イメージサークルは直径46.5mm。MF60 Lens Projectorを使った投影では、GFX Frameなどのフォーマット枠と比較しながら、実際のカバー範囲や周辺部の状態を目視で確認できるようになっていた。

DULENS APO MiniPrime 85mm T2.4をMF60 Lens Projectorで投影。公称46.5mmのイメージサークルと各フォーマット枠を比較できた

APO Cambrian Primeで印象的だったのは、ラージフォーマット対応というだけでなく、今後さらに大型化するシネマカメラの撮像フォーマットまで見据えた設計と展示を行っていたことだ。大型センサーを採用するシネマカメラの選択肢が広がる中、この大きなイメージサークルをどのようなカメラとの組み合わせで生かしていくのか。今後の展開も気になる展示だった。