BIRTV 2026のSaramonicブースで大きくアピールされていたのが、ワイヤレスインターカムの「WiTalk」シリーズだ。ブースではさまざまなタイプのヘッドセットに加え、システムの中核となる「WiTalk Base」も展示されていた。映像制作の現場で、ディレクターやスタッフなど複数人が同時に会話するためのコミュニケーションシステムである。
担当者によれば、撮影現場を中心に、イベントやサッカーなどのスポーツ、ステージ制作といった用途にも対応するという。複数のスタッフが動く現場では、撮影機材だけでなくスタッフ間のコミュニケーションも制作を支える重要な要素になる。
WiTalk Baseは1台で最大16台のフルデュプレックスヘッドセットに対応し、最大4台を連携することで64ユーザーまで拡張できる。小規模な撮影チームから、より多人数が動く制作現場まで対応できる構成だ。
ブースでは、デジタルUHFワイヤレスシステム「Saramonic K9」のプラグオンXLRトランスミッター「K9 XTX」も展示されていた。ハンドマイクやショットガンマイクなどのXLR端子に直接装着してワイヤレス化できる送信機で、32-bit Floatによる本体録音やタイムコード、48Vファンタム電源に対応する。
そこから担当者に案内されてブース内を移動すると、次に紹介されたのがBOYAブランドの「BOYA Magic」である。Saramonicがプロの映像制作現場を意識した製品を展開する一方、BOYAはより幅広いユーザーを想定したブランドとして紹介されていた。
このBOYA Magicがなかなか面白い。ひとつのワイヤレスマイクシステムを用途に合わせて組み替え、クリップオン、ハンドヘルド、デスクトップ、オンカメラという4つのスタイルで使い分けられる。ブースでは担当者が目の前で各パーツを組み替え、デスクトップマイクからハンドヘルド、オンカメラへと次々に形を変えて見せてくれた。

実際に触ってみると、各パーツを磁石で着脱できる構造になっている。カチッと取り付けながら収録スタイルに合わせて形を変えられる仕組みはシンプルだ。トランスミッター自体も厚さ13mm、質量7gと小型・軽量で、クリップオンマイクとして衣服に装着した際にも目立ちにくい。
BOYA Magicは48kHz/24bitの音声収録に対応し、AIノイズキャンセリングも搭載する。BOYAによれば、AIによるノイズ処理は70万以上の実環境ノイズサンプルを用いて学習しており、周囲の騒音が大きい環境向けのStrongモードでは最大40dB、比較的静かな環境向けのLightモードでは15dBのノイズ低減に対応するという。
さらに、急激な音量上昇によるクリッピングを抑えるスマートリミッターと、メイン音声より12dB低いレベルで記録するセーフティトラックを搭載する。専用の「BOYA Central」アプリからは、AIノイズキャンセリングやEQなどの設定を調整できる。
接続先もスマートフォンやタブレット、カメラ、アクションカメラ、PCなど幅広く、接続する機器に応じたレシーバーが用意されている。Vlogやインタビュー、カメラ収録、デスクトップでの配信など、異なる収録環境をひとつのシステムでカバーするという考え方だ。
Saramonicブースでは、スタッフ間のコミュニケーションを担うWiTalkシリーズ、XLRマイクをワイヤレス化するK9 XTX、そして収録スタイルに合わせて形を変えるBOYA Magicと、それぞれ異なる方向から音声ワークフローにアプローチする製品が並んでいた。大規模な制作現場でのコミュニケーションから、ロケーション録音、身近な動画制作まで、幅広い音声ソリューションを見せる展示となっていた。