去る5月24日から27日、東京都世田谷区のNHK放送技術研究所(NHK技研)において「技研公開2012」が開催された。今年は「わくわくが、あふれだす。」をテーマに人にやさしい放送の実現に向けた36項目あまりの研究成果が披露された。

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地デジ化への完全移行も終了した今年は、放送通信連携サービスを実現するHybridcastや次世代テレビを目指すスーパーハイビジョンなど次のステップへ向けての出展に注目が集まっていた。そんな数多く出展されていた未来の技術をグラフ形式でお届けして行こう。


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放送波で送られてくる番組と、ネットワークで送られてくる番組に関連する情報とを組み合わせることで、番組を今まで以上に豊かに視聴できる放送通信連携システムHybridcast。


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Hybridcastを利用することで、視聴中の番組に関連する情報を必要に応じて携帯端末などで利用できる。


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番組を通じて視聴者間の「横のつながり」を構築するサービスソーシャルテレビ。ソーシャルテレビによる視聴者同士がお互いの視聴している番組を共有できる。画面下にそれぞれの視聴者の番組が表示されている。


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アナログテレビ放送終了後、V-Low帯マルチメディア放送に空いたVHF1〜3チャンネル(90〜108MHz)を利用したマルチメディア放送。蓄積サービスなど、新しい放送サービスも開始される予定で展示では防災無線やワンセグ受信機と組み合わせたコンセプトモックを出展。


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スーパーハイビジョンの地上波放送を目指した大容量伝送技術。1つのキャリアシンボルで12bitの情報を伝送する4096QAM-OFDMの偏波MIMO伝送や移動受信向け高信頼伝送技術などを披露。


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120Hzスーパーハイビジョンイメージセンサー。スーパーハイビジョンというと8kという解像度だけが注目されがちだが、フレーム周波数120Hz、12bitの階調が目標とされる仕様となっている。今回のセンサーはその仕様に沿ったもの。


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単板式スーパーハイビジョン用小型カメラ。3300万画素のセンサーを採用したもので、レンズは市販の一眼レフカメラのものを使用できる。展示のカメラはニコンのレンズが装着されていた。


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スーパーハイビジョンの放送局内ネットワーク。光時分割多重OTDMによる172Gbps伝送により1本の光ファイバーで2chのスーパーハイビジョンを伝送可能。スーパーハイビジョンによる番組制作を行う上で不可欠な技術。


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145インチスーパーハイビジョン大画面ディスプレー。8kという解像度を生かした大画面表示を実用化するプラズマディスプレイパネルを採用している。


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22.2chスーパーハイビジョン音響制作機器。3次元残響付加装置やワンポイント収録マイクロホン、22.2chマルチチャンネルヘッドホンプロセッサーなどを展示。


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インテグラル立体テレビ。左右だけでなく前後、上下のどの方向からでも裸眼で立体視聴が可能。走査線8000本映像システムを適用した表示システムや壁にかけてあるような小型なものを披露していた。大型表示のシステムは写真のように長蛇の列で順番待ち。


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次世代スタジオ照明器具。高演色LEDライトや有機ELを利用した照明器具。自然光に近いLEDや高い発光効率を有する全色リン光材料有機ELフラッドライトなど。


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カメラの姿勢と位置を高精度に計測できるハイブリッドセンサーを搭載した撮影システム。高精度に位置検出が行えるため、CG合成などカメラ位置が必要な撮影に有効な技術。


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通常のカメラでは撮影不可能な暗いところでも撮影可能なEM CCDカメラ。交際宇宙ステーションからの中継にも使われたハイビジョンカメラ。


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高速と大容量化を実現した、長寿命アーカイブ用薄型光ディスクシステム。従来より小さな光スポットを用いることで従来の4倍の高密度記録を実現した薄型光ディスク。非圧縮のハイビジョン映像を再生実演していた。


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近赤外4kカメラ。医療応用に向けた技術として写真右のように人の指の血管などの映像を撮影することができる。X線など有害な放射線を使うことなくこうした撮影が可能。


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9.6型4kディスプレー。高精細な小型ディスプレイパネルは画素ピッチが微細になるため、技術的に実用化が難しいが今回4k解像度の9.6型ディスプレーが開発された。


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超高速高感度カメラ。裏面照射型センサーにより、高速撮影と高感度を両立させており、風船が割れる瞬間などを一般的なスポットライト程度の照明で撮影ができる。

WRITER PROFILE

稲田出

稲田出

映像専門雑誌編集者を経てPRONEWSに寄稿中。スチルカメラから動画までカメラと名のつくものであればなんでも乗りこなす。