txt:岡英史 構成:編集部

IBC直後の放送機材展「LOGIC JAM」

InterBEEを残し、今年の国内放送機器展の最後となる、北海道・札幌で開催中のLOGIC JAMに参加した。ホテルのボールルームで行われるこの展示会、規模としては小さく、大手メーカーの内覧会に近い大きさだがIBC直後ということもあり、何かおもしろいものがあるのでは?という興味があった。また交通費が意外と安いのも参加理由の一つで、前割を使えば大阪に新幹線で行くより安い。

ナックイメージテクノロジー

ナックイメージテクノロジーといえばZEISSやアンジェニューが目につくが、今回の展示会には小型のLEDライトが初出品されていた。大きさは手のひらサイズ弱といったところ。

特長は、三種類のレンズがスライドして投射形状が変わることだ。ワイド120°からスポット18°まで変化が付けられるので、その明るいLED素子とENG系カメラを組み合わせるとなかなか良い。バッテリーは充電式で連続約2~3時間が可能だという。

RAID(RED販売代理店)

カメラとしてはRED WEAPON 8Kの展示が1台あるだけだが、その分興味深いガジェットがあった。すでにいろいろなメーカーから出ているが、スチルレンズにFFを噛ませる際に使用するギア歯を簡単に取り付ける製品。

ZEROと言う製品名で、レンズ径60mm~92mmまで対応している。製品のリング部分を回すことで3本の足が伸び、フォーカスリングを固定する。ちょうど小型のパンタグラフのような形状の足が伸びて固定する。価格は加工精度に比べると思った以上に安価だ。

銀一

いつものようなステディカムの展示は控えめで、撮影時の小物系ガジェットを数多く出展。同社が代理店となるRODE(マイク)は、ほぼフルラインナップで展示。もちろん、先日発表されたDSLR用のクリップオンマイクVideoMic Pro+もある。

今回の新製品としてはソニー互換のフネクイックロックプレートだ。純正フネの微妙なクリアランスをカメラではなくロック側がガッチリ動いて固定し、特に後ろのロック部分は完全に下方向に引き抜く構造なので超望遠のテレ端でもプレートガタはない。

パナソニック

言わずと知れたAU-EVA1の展示が目を引く。NAB Showから追っかけてBIRTVでの実働モデルからさらにファームが上がっており、IBCと同格の実機。今回はEFレンズだったので前回チェックできなかったAFやアイリスの動作確認をしたが、ほぼ満足できるレベル。

AFはワンプッシュのみとなるので、撮影中のAF動作は厳しい。FIXでAFを決め、微調整でMFという使い方か。アイリスは滑らかに動き、こちらも満足できる仕上がりだ。4K POVCAMはすでに発売済みではあるがSDI入力ではHDまでの記録だ。おもしろいのは、LCDの出力を上下反転することでI/O部分を手前ではなく奥に出すことができる。その際は十字キーも反転するので、メニューなどの操作に支障はない。旧POVCAMで一番使い勝手の悪かった部分が解消された感じだ。

ソニー

IBCで発表された業務用小型メモリーカムコーダーPXW-Z90の実働モデルが早くも展示されていた。

ボディ周りはX70とほぼ共通なので単純に4Kに対応だけかと思ったら、撮像板をはじめ、いろいろな部分がバージョンアップされている。簡単に言えば中身はZ150と同等になりハイブリッドガンマを搭載し、HDRに対応した。

さらに驚いたのはLANC互換のリモート端子が追加されたこと。X70ではマルチコネクター採用だったので、ズームリモコンを使うのに2ヶ所変換しなければならなかったのが、従来の2.5mmだけでコントロールできるようになった。LibecのリモコンZFC-Lでの動作検証を行ったが、全ての操作が可能だ。

IDX

BIRTVでチラ見せし、IBCで発表になった新型Vマウントバッテリーの展示をみつけた。現場的な使い勝手を考えたスタイルでバッテリーの連結が可能。この機構はすでに同社では存在していたが、今回はVマウントバッテリーならソニー製品などでも取り付けが可能。もちろんバッテリー運用時は2個パラレルに減るのではなく、常に連結した一番後ろのバッテリーからなくなっていくため、ホットスワップ状態でバッテリーの交換が行えるので消費電力の大きいシネマカメラでも長時間の運用が可能だ。

また充電も連結したまま行え、今までのように夜中に入れ替えることなく連続で充電が可能になった。

総評

今回の目論見であったIBCとの連携的な構想は数点だったが、実機を手にすることができたのは収穫だった。国内では最小の展示会だが、その意義はあるだろう。残念ながら今年は台風の影響で会期後半に雨が降ったために若干足並みが鈍くなったが、最北端放送機器展の意義はあるだろう。

会期が1日しかないがその分会場スケールもちょうど良く、より親密にメーカーの人達と話せる(質問等)時間は長くできるはず。北海道とはいえ、エアーチケットも早割を使えば片道1万円以下で行けるのも魅力だ。

WRITER PROFILE

岡英史

岡英史

モータースポーツを経てビデオグラファーへと転身。ミドルレンジをキーワードに舞台撮影及びVP製作、最近ではLIVE収録やフォトグラファーの顔も持つ。