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今回ご紹介するのは、話題の中判ミラーレスカメラ「Hasselblad X2D 100C」。本連載では中判デジタルを専門に扱っており、Hasselbladを特集するのは今回で7度目となる。

2022年9月の発売以降、レンズやアクセサリー類を含めて品薄が続いており、ようやく供給が安定したタイミング。現在も大々的なプロモーションがなされている渦中のカメラである。

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今回代理店からお借りしたのはX2D 100C本体と、同時発売されたXCD Vシリーズのレンズ3本。自然光でのスナップの他、スタジオでの人物撮影でもテストすることができた。

現在のトレンドから逆行するように、動画機能を廃し、多機能な電子デバイスとしてではなく、あくまで「写真機」であることを選んだ稀有な中判ミラーレス機。その魅力を筆者の視点でお伝えしていきたい。

高密度な工業デザイン

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はじめて手にしたとき、アルミニウムの硬質な肌触りと心地よい重量感に「おお」と声が漏れてしまった。日本メーカーの製品ではなかなか味わえない、密度の高さを感じるデザインである。

小型ボディでありながら小指が余らない絶妙な形状のグリップ。主張を抑えたシックな色調に、オレンジ色のシャッターボタンが差し色として光る。

新しくデザインされたXCD Vレンズとのマッチングも特筆すべきだろう。見た目の美しさだけでなく、カメラとレンズの重量バランスも絶妙だ。カメラはただ軽ければ良いのではなく、レンズを装着した際のバランスを想定した、適切な重量が必要なのだと実感する。またアルミニウムの筐体は剛性と放熱性に優れ、多くの高級機で採用されている。

メーカー公式のプロモーションでも、手で持ったときの質感やサイズ感を伝えるビジュアルが目立つ。ぎゅーっと凝縮されたような、良い道具を持つ喜びがそこにあるのだ。まだ触ったことのない方は、ぜひ一度手に取ってほしい。

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旧モデル(X1DII)からの外観上の変更点として、トップカーバーの色合いが暗くなり、肩口に液晶が搭載されたことが挙げられる。

特に肩液晶は、ミラーレスから写真を始めた人には不評だったりもするが、ファインダーを覗いたり背面液晶を見ることなく、いつでも上から露出を把握できるのが便利だ(なくても撮影できるが、あるに越したことはない)。一眼レフ時代の名残もあるのだろう。現在でもC社、N社の上位機種には肩液晶がついている。

カメラの基本操作は前後の2ダイヤル。XCD Vレンズにはカスタマイズ可能なコントロールリングが備わっているため、実質3ダイヤルで直感的に露出を制御することもできる。

操作するボタンの数も少なく、メニュー項目自体が現代のカメラとは思えないほどシンプル。多くの便利機能を使いこなすというよりも、写真の物理的・光学的な原理に基づいたインターフェイスとなっている。

動画機能を省いたことからもわかるように、機能を増やすのではなく減らすことで「写真機」であることを主張しているのだ。このカメラで撮影すると、そんなハッセルブラッドの思想とコンセプトが伝わってくる。人によって好みは分かれると思うが、これは工業デザインとしての優秀さを表していると思う。

一方で、露出もピントもすべてカメラまかせで撮れる「手軽さ」や「多機能」を求める方は、物足りないと感じるかもしれない。コンセプトがはっきりしているので、しっかりと見極めたいところだ。

100MP撮像センサー

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X2D 100Cには裏面照射型の1億画素CMOSセンサーを搭載。15stopのダイナミックレンジを持ち、高品質なRAWデータを16bitで保存することができる。

ここで重要なのは、センサーシフト式の手ブレ補正を採用していること。高画素機になればなるほど手ブレが拡大して見れてしまうし、どんなに素晴らしい画質を持つ中判デジタル機でも、雑に扱うとひどいデータになりがちである。

X2Dはメーカー公称値5軸7段の手ブレ補正機構を持っていることで、中判のクオリティをより身近なものにしてくれる。

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センサーサイズは43.8×32.9mm(44×33)で、近年の中判では標準的な、135判フルサイズと、645フルサイズの中間にあたる大きさとなっている。

2017年のHasselbladXシステム以降、この44×33センサーに最適化されたお陰で、カメラやレンズが大幅に小型化され、業務用途だけでなく、一般ユーザーにも響く製品になったのは間違いない。

この連載では中判デジタルばかりを扱うため、135判フルサイズ機と比べて云々という記述は割愛させていただくが、物理的なセンサーサイズの違いはしっかりと反映される。

試写 XCD 2.5/38 V

3月下旬、Hasselblad X2Dの作例を撮るべく、早朝から栃木県宇都宮市へ。道中に見えてくる壮大な雪山に釣られ、予定を変更してひたすら車を走らせるが、近づけば近づくほど、手前の山に阻まれ見えなくなっていく。

作例は、迷い込んだ山道で撮影したもの。目的地に近づくと見えなくなるのは人生を暗示しているのだろうか。

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Hasselblad X2D 100C / XCD 38mm F2.5 V / ISO 64 1/60 F4
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Hasselblad X2D 100C / XCD 38mm F2.5 V / ISO 100 1/90 F3.4
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今回お借りしたレンズのうち、最も軽快に持ち出せるのはXCD 38mm F2.5Vだろう。ハッセルブラッドの38mmといえばSWCシリーズが有名だが、X2Dで使用する場合はそれほどのワイド感はなく、程よい画角(135換算30mm相当)の広角レンズとなる。

軽量コンパクトに加えて最短撮影距離が30cmと短いので、風景はもちろん家族の記録であったり、食事のテーブルフォトにも最適だ。日常や旅行などの記録はほとんどこれ1本でまかなえてしまう。描写もギスギスしておらず、余裕を感じる優しい雰囲気がある。

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Hasselblad X2D 100C / XCD 38mm F2.5 V / ISO 64 1/60 F4
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AF精度も上々で、想像していたよりも軽快にピント合わせができた。設計の新しいXCVレンズゆえかは不明だが、走り回る子どもをAFで自動追尾させるような使い方でもなければ、さほどストレスなく実用できるだろう(合わない場合は即MFに切り替えて使うべし)。

試写 XCD 2.5/55 V

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Hasselblad X2D 100C / XCD 55mm F2.5 V / ISO 200 1/180 F4.8
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標準レンズとして大人気のXCD 55mmも、噂に違わぬ良いレンズだ。135判換算で43mm相当の画角ということで、日常を切り取ったり、背景を入れたポートレートにも使いやすい。44×33サイズのセンサーを楽しむ上で、中判らしい描写を得やすいのは55mm以上の焦点距離だと思う。

ハッセルブラッドが55mmのレンズを発売したのは、これが初めてではないだろうか。中判用の55mmといえばフィルム時代には定番の広角レンズだったが、ハッセルは55mmではなく一貫して50mmだった。

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Hasselblad X2D 100C / XCD 55mm F2.5 V / ISO 64 1/750 F4
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Hasselblad X2D 100C / XCD 55mm F2.5 V / ISO 64 1/1000 F4.8
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惜しい点

個人的に使いづらいと感じたのは、マニュアル露光モードで使用する際、シャッターボタン半押しでAFを駆動させると、自動的にAEロックがかかり、AEを使用していないのに露出の変更ができなくなってしまう点。つまりピントを合わせた後に、画面を見ながら露出を微調整することができない。

関連して、何枚か連続で撮る際にも、半押ししたまま次のシャッターを切ろうとすると1枚ごとにAFが駆動してしまう。返却時までにAFロックする方法が見つけられなかった。ワンショット、連写モードでも変わらずである。

これらは液晶上でタッチAFを使うなど、スマートフォン的な使い方をするか、カメラ側をMFに設定し、親指AF(AF-Dボタン)でピントを合わせることで対処できるが、どうしてこういった仕様になっているのか不思議に思った。

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Hasselblad X2D 100C / XCD 55mm F2.5 V / ISO 100 1/350 F4.8
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また、アイセンサーの反応が遅く、ファインダー像(EVF)に切り替わるまでにラグが発生する部分も気になった。1秒にも満たない時間だが、真っ暗なファインダーを眺めながらEVFの表示を待つのが嫌で、結局はほぼすべて背面液晶を見て撮影することになってしまった。

このカメラのコンセプトを考えると、ファインダーを覗いて撮りたい人も多いのではないかと想像する。ここは本当にもったいないと思ってしまった。ファームウェアで改善できないものだろうか。

試写 大谷資料館

筆者は普段からCCDの中判デジタル一眼レフを持ち歩いてるせいか、ついISO100以下で撮り切ってしまいそうになる。本機のポテンシャルを見るためにも、高感度域が必要な場所へ向かうことにした。今回の目的地はここである。

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Hasselblad X2D 100C / XCD 90mm F2.5 V / ISO 6400 1/45 F5.6
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Hasselblad X2D 100C / XCD 38mm F2.5 V / ISO 6400 1/90 F2.5
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Hasselblad X2D 100C / XCD 38mm F2.5 V / ISO 12800 1/20 F6.8
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坑道を降りて何ともエキゾチックなのは、栃木県宇都宮市にある大谷資料館(おおやしりょうかん)。この地方で有名な石切場(採石場)の跡地である。大谷石は栃木県の特産物で、加工しやすく火に強いことから、石倉や石塀などをはじめ様々な用途で使用された。県内で車を走らせていると、大谷石で造られた蔵をよく見かけるし、20世紀建築界の巨匠フランク・ロイド・ライト氏が設計した、旧帝国ホテルで大谷石が採用されたエピソードは有名である。

現在は名前の通り、資料館を併設した定番の観光地となっていて、大きな駐車場とおしゃれなカフェ&土産屋がある。隣接する大谷寺は岩山に埋もれるように建てられ、高さ27メートルの大谷観音を見ることができる。

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Hasselblad X2D 100C / XCD 38mm F2.5 V / ISO 3200 1/20 F5.6
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美しいパターンを刻む壁面の削り跡。手掘りの時代から始まり機械の導入を経る過程で、採掘された時期によって模様が異なる。

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Hasselblad X2D 100C / XCD 38mm F2.5 V / ISO 3200 1/8 F4.8
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坑内は約2万平方メートルと広く、アート作品を交えたライトアップも楽しめる。年間を通してヒンヤリしているので真夏でもなければ上着を持参すると良いだろう。

もともと観光には興味のない筆者だが、1年ほど前に所用で宇都宮を訪れる際に教えていただいたのが最初で、今回が3度目となる。東京からはほど近く有名なスポットかもしれないが、九州出身の筆者には「ここは本当に日本なのか」と思うほどショッキングな体験であった。映画やドラマのロケ地としてだけでなく、コンサート会場や新車の発表会などでも使用されているようだ(車が通れる坑道もあり、大きなステージもある)。

※記事掲載を説明し事前に許可を得て撮影している。

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Hasselblad X2D 100C / XCD 55mm F2.5 V / ISO 6400 1/8 F4.8
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Hasselblad X2D 100C / XCD 38mm F2.5 V / ISO 3200 1/8 F4.8
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Hasselblad X2D 100C / XCD 38mm F2.5 V / ISO 3200 1/8 F4.8
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作例はご覧のように、ISO 3200~12800の間で撮影。掲載の都合上長辺2500pxにリサイズしているが、裏面照射CMOSセンサーの強みを発揮しており、感度を上げていってもあまり印象が変わらない。

小型軽量ゆえに、写真がブレているのではとシャッタースピードに敏感になってしまうが、そこは手ぶれ補正がしっかり働いてくれるので、よほど無理をしないかぎりは問題なさそうだ。

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Hasselblad X2D 100C / XCD 38mm F2.5 V / ISO 800 1/8 F3.4
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ファイル形式とRAW現像

純正デジタルバックを含め、ハッセルブラッドのデジタルカメラで撮影したRAWデータは「3FR」形式で記録される。これはかつて2004年にハッセルブラッドが吸収した大手メーカーのイマコン社が採用していたRAW形式である。カメラ単体で記録できない時代のフォーマットが、現在でも引き継がれているというわけだ。

ハッセルユーザーには常識だが、この「3FR」ファイルはそのままでは純正ソフトのPhocusで編集することはできず、Phocus上で「fff(3F)」ファイルに変換する必要がある。なお、3FRが1枚あたり210MB程度なのに対し、fffは130~200MB程度と、写っている情報量に寄ってデータが軽くなる(以前メーカー公式で「fffファイルは編集前の完全なデータなので、元の3FRファイルは削除して構わない」という記述を見かけた)。

またPhocusでのRAW現像は、非常に美しいデータが得られるものの、細かい調整をするには使いづらい面もある。また「3FR → fff」へのファイル変換処理にけっこう時間もかかってしまう。変換不要で3FRファイルをそのまま現像できるLightroomを使用している方も多いのではないだろうか。

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HNCS

HNCS(ハッセルブラッド・ナチュラル・カラー・ソリューション)は独自開発のカラーマネジメントシステムで、歴史あるハッセルブラッドの写真観とこだわりを反映させた「基準色」という言い方もできる。

ただし、このHNCSは、JPEG記録したデータとRAWデータをPhocusで現像するときにのみ反映されるもので、汎用RAWのDNGで書き出してもハッセルブラッドの画作りは反映されない。LightroomにもX2D用のプロファイルが用意されているものの、赤やオレンジの色や濃度で違いが出ると、代理店を通してメーカーからの回答があった。他社ソフトでHNCSを適応した写真を編集したい場合は、Phocus上からTIFFかPSDに書き出すしかない。

とはいえ、いま流行りのルックや現像プリセットのように、大きく写真の印象を変えるものではない。あくまで忠実な色再現を目指した基準色であって、写真の演出ではないのだ。その意味で「手軽にそれっぽく見える写真をつくる」ことを目的としていない。筆者はここに、写真機メーカーとしての矜持を感じるのである。

スタジオでのモデル撮影 XCD 2.5/90 V

中判デジタルといえばスタジオ撮影の業務用ツールだった時代がある。筆者自身もこの辺りの使い勝手が気になっていた。ブロンカラー代理店のアガイ商事さんのスタジオをお借りして、一時帰国中のヘアメイクと久しぶりの作品撮りである。急遽の撮影に手を上げてくれたモデルにも感謝したい。

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Hasselblad X2D 100C / XCD 90mm F2.5 V / ISO 64 1/250 F4.0
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Model: Dreahnna Sade
Makeup: Kanna Murokita
Photographer: Hidekazu Tominaga

まず、顔認識AFが実用できると確認できたのは大きな収穫だった。AFスピードは速いとは言えないものの、手持ちでアングルを変えながら撮る場合でも、なんとか一定のテンポでシャッターが切れた。撮影中は本当にピントが合っているのか不安だったが問題なし。サングラスなどで顔を認識しなくなるシーンではすぐさまMFに切り替えた。

実は私物の中判一眼レフをメインに、所々でX2Dを並行して使用したのだが、中判なのにただ押すだけでピントが合った写真が撮れてしまうわけで、撮影自体はかなり楽になる。135フルサイズのミラーレスに近い使い勝手である。

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Hasselblad X2D 100C / XCD 90mm F2.5 V / ISO 64 1/250 F4.0
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使用したレンズはもちろんXCD 90mm F2.5 V。サイズは少々大きくなるが、まだボディとのバランスが保たれている。焦点距離や明るさから考えると軽量コンパクトな部類に入るだろう。

画角は135判換算で71mm相当となり、アスペクト比4:3のセンサーにおいては、全身からバストアップまで非常に使いやすいレンズになる(顔のアップを撮る場合はXCD 135mm F2.8を選択した方がライティングが組みやすいかもしれない)。

HasselbladXシステムはレンズシャッターのシステムということもあり、ストロボの全速同調が可能。このレンズに関してはなんと1/4000まで同調できる。

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Hasselblad X2D 100C / XCD 90mm F2.5 V / ISO 64 1/250 F8.0
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正直、何かしらのトラブルが起きる覚悟はしていたのだが、Phocusを使った有線でのテザー撮影は順調そのもの。その際の撮影データは「3FR」形式ではなく、はじめから「fff(3F)」形式で記録されるため、変換の手間を省けるしデータも幾分軽くなる。

USB接続には、普段135フルサイズ機で使用してるテザーツールスのL字型ケーブルを使用し、アルカスイス互換のLプレートでコネクタが動かないように固定することで、一度も途切れることなく安定して撮影ができた(ただしL字を逆にすると頻繁に途切れて実用できなかったので、相性があるのかもしれない)。

筆者が不満に感じたのは、USBポートの蓋がほぼ直角で止まってしまうこと。これが邪魔でLプレートが真っ直ぐに装着できない。もしも自分がこのカメラを購入するならば、なんとかしてこの蓋を取り外して使うことになるだろう。

※テザー撮影時は下の写真のように使用した。蓋さえなければと思う。

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USB接続の問題点

USBポートに力が加わり本体側が破損するケースが少なからずあるようで、まさに筆者の友人カメラマンも本国送りで納期3~6カ月の憂き目にあっている最中である(基盤ごと交換になる模様)。

テザー撮影だけでなく、本体のUSBポートから充電を繰り返す長期的なリスクを考えると、緊急時以外は別売りのバッテリー充電ハブ(2本同時に充電可能)で充電する方が良いのではないかと考え、今回お借りする際にも充電ハブをリクエストした。USB Type-C接続なので、モバイルバッテリーからも充電できる優れモノだ。

サポート事情

2023年5月に原宿のハッセルブラッドストアが閉店したのち、体制が大きく変わり、親会社DJIの代理店として知られる「株式会社セキド」がHasselblad製品の総代理店となった。

カメラやレンズ、アクセサリー類の販売はもちろん、修理受付も行っている(基本は販売代理店を通して問い合わせるシステムだ)。

また、旧世代のHasselbladVシステムは現在でもメンテナンスが可能で、純正デジタルバックと一緒に預けることでピント調整も行えるらしい。詳しくはHasselbladのカスタマーサポートまで。

まとめ

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シンプルな操作感が心地よく、とても簡単に撮れる中判ミラーレス機なのだが、開発の方向性が一般のトレンドとは離れていることもあり、好みが分かれる部分ではある。

足し算ではなく、引き算のカメラと言えばいいだろうか。機能で選んだカメラは、近いうちにまた機能で買い換えることになる。ハッセルブラッドは明らかに違う道を選んでいるのだ。

UIやソフトウェア面ではまだ未完成な部分があるのは事実。露出を決め、ピントを合わせてシャッターを切るという「写真機」としてのシンプルさを追求したコンセプトと、道具としての造りの良さに惚れ込めるかどうかだと思う。


蛇足だが、2025年3月現在、米B&Hでの価格が$8,199。富士フイルムGFX100IIが$7,499と、その価格には$700(105,000円程度)の差があるが、日本での販売価格は5,000円程度しか変わらない。

つまり、日本ではハッセルブラッドが少しだけ割安で購入できることを、最後に付け加えておきたい。


富永 秀和|プロフィール

1983年福岡生まれ。グラフィックデザイナーから転身した職業フォトグラファー。2013年に中古購入した中判デジタルでその表現力の虜となる。福岡のシェアスタジオで経験を積み2022年に上京。
総合格闘技(MMA)ファン。
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