Vol.02のレポートに続き、北陸放送機器展におけるアーザス株式会社の注目製品を紹介する。同社ブースでは、iodyne社の新型ポータブルSSD「Pro Mini」(プロミニ)がひときわ大きな注目を集めていた。本製品は、映像制作のプロフェッショナルが直面する課題を解決すべく設計された次世代のストレージソリューションである。IBC 2025で動作モデルが展示され、順調であれば本年12月に発売が開始される予定だ。
Pro Miniの最大の特徴は、スマートフォンに匹敵するコンパクトな筐体でありながら、エンタープライズグレードのXTS-AES-256暗号化とハードウェアRAID-6によってデータが保護されている点である。このサイズの製品でRAID-6を実現したことは技術的に特筆すべき点であり、さらに内部のNANDフラッシュチップが故障した場合でも、データを安全に保護する極めて高い冗長性を確保する。
この高密度実装と高性能を支えているのが、ファンレスの固体冷却システム「AirJet」である。この独自の冷却技術は、0.3μmの微細な粒子から内部を保護しつつ、静音かつ効率的な冷却を実現し、長時間の高負荷なデータ読み書きにおいても安定したパフォーマンスを維持する。
物理的な管理とセキュリティ機能も、既存のポータブルSSDの常識を覆す仕様を実現している。本体には2.1インチの電子ペーパーディスプレイが搭載されており、これはカスタマイズ可能なデジタルラベルとして機能する。このディスプレイには、プロジェクト名や所有者情報、残容量、さらにはQRコードなどを表示でき、電源がオフの状態でも数年間にわたって表示を保持することが可能である。さらに、遠隔地からでも表示内容を変更できるため、万が一紛失した際には返却を促すメッセージを表示するといった運用も想定されている。

また、Pro MiniはBluetooth信号ビーコンを内蔵し、Appleの「探す」やGoogleの「デバイスを探す」ネットワークに対応している。これにより、デバイスの所在地を世界中で追跡することが可能であり、管理者にとっては画期的な資産管理ツールとなる。 セキュリティ面では、NFCタップによるロック解除を採用しているのが特徴だ。管理者は特定のユーザーのスマートフォンにのみ解除キーを付与でき、これにより映画プロジェクトのような機密性の高いデータを、許可された人物だけが安全に取り扱うことが可能になる。
接続性に関しても、Thunderbolt 4とUSB 4に対応しており、Mac、Windows、Linux、さらにはiOSといった多様なプラットフォームで利用できる。USB Type-C経由での直接収録に対応したカメラであれば、本製品を記録メディアとして活用することもできそうだ。

iodyne Pro Miniは、単なる高速データストレージにとどまらず、堅牢なデータ保護、革新的な物理セキュリティ、そして大規模なフリート管理までを視野に入れた、包括的なスマートストレージデバイスであると言えるだろう。