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ソニー「RX1R III」は、フルサイズセンサーとツァイス35mm F2レンズを搭載したほかに類を見ない高級コンパクトデジタルカメラだ。最新の高画素センサーと先進的な機能を備える一方で、手ぶれ補正や可動式のモニターなど便利な機能が省略されている。その割り切りによって実現した圧倒的な小型軽量ボディは、撮影者を"撮ること"そのものに集中させてくれる存在だ。本記事では作例を交えつつ、その魅力と立ち位置をレビューする。

最新機能が凝縮されたフルサイズ・コンパクトカメラ

RX1R IIIは、レンズ一体型カメラでありながらフルサイズセンサーを搭載している点が最大の特徴。前機種のRX1R IIから約10年ぶりの登場となる待望の新モデルだ。

イメージセンサーや画像処理エンジンは、「α7R V」のようなミラーレス一眼カメラの上位機種にも匹敵する性能でありながら、そのサイズは圧倒的に小型で軽量。ボディの重さはバッテリーやSDカードを含めても500gに満たない。ほかに類を見ない存在のカメラだ。

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片手で気軽に持てるフルサイズセンサーのコンデジ「RX1R III」

ソニー RX1R IIIの主な仕様をまとめると以下の通り。

  • イメージセンサー:フルサイズ(35.9×24.0mm)、有効画素数約6100万画素
  • 画像処理エンジン:BIONZ XR
  • レンズ:ツァイス Sonnar T 35mm F2(カメラ一体型)
  • 撮影距離(レンズ先端から):約24cm – ∞(通常モード時)、約14cm – 29cm(マクロモード時)
  • ISO感度:100〜102400(常用ISO 32000、拡張ISO102400)
  • シャッタースピード(静止画撮影時):
    (電子シャッター):1/8000-30秒、(メカシャッター):1/4000※-30秒
    ※F5.6以上に絞った場合。それよりも開いた場合の上限は1/2000秒
  • 手ブレ補正:電子式のアクティブ補正のみ搭載
  • 記録メディア:SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-II対応)
  • 動画:4K 30p、フルHD 120p
  • サイズ:約113.3×67.9×87.5 mm、約113.3×67.9×74.5mm(レンズ先端からモニターまで)
  • 重量: 約498g(バッテリーNP-FW50・SDカード含む)
  • 発売日:2025年8月8日
  • 価格:税込658,900円(記事執筆時点 ソニーストアの販売価格)

カメラの天面はでっぱりのないフラットなデザイン。全体的に配色がモノトーンに整えられており、すっきりとスマートな見た目だ。マグネシウムの堅牢なボディを引き継ぎつつも、外装はリニューアルされたマットな質感で指紋などの汚れが目立ちにくい。

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コンパクトながらきちんとEVFを搭載。屋外でもファインダーを覗きながら快適に撮影が可能だ。ダイヤル類は背面にふたつ搭載して前面にダイヤルはない。ボタンやダイヤルなど主な操作系は右側に集約されており、カスタマイズ可能なCボタンが3つ用意されるなど操作性が充実している。

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本機はレンズシャッターを採用する。メカシャッターで最速のシャッタースピードが1/4000だが、絞りをF5.6よりも開いたときの上限は1/2000となっており、明るい屋外で絞り開放の撮影では露出オーバーになりやすい。一方で電子シャッターは最速で1/8000のシャッタースピードを出せるので、状況に応じて使い分けたい。

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画像左はF2、SS1/2000で撮影しており露出オーバーとなってしまった。そこで電子シャッターに切り換えてSS1/5000にすることで適正露出となった(画像右)
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バッテリーは「NP-FW50」を採用。前モデルと比べてバッテリー持続時間が強化されている。筆者の使い方では写真撮影を中心とした3時間ほどの外出で満充電のバッテリーをひとつ使い切った。

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静止画撮影可能枚数:

  • ファインダー使用時:約270枚
  • 液晶モニター使用時:約300枚

連続動画撮影:

  • ファインダー使用時:約80分
  • 液晶モニター使用時:約80分

※公式スペックより(CIPA規格準拠)

USB充電に対応しているので、バッテリーを消耗した際はモバイルバッテリーによる給電・充電が可能だ。なお、カメラにはUSBケーブルやバッテリーチャージャーは付属しない。

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外部接続は、マイク端子、USB Type-C、HDMIマイクロ端子(タイプD)のほか、マルチインターフェースシューを搭載。全体的に今どきのカメラらしい機能が搭載されており、前モデルからグレードアップされている。

一方で、RX1R IIIで省略されたり、追加されなかった機能もある。例えば、背面モニターは以前はチルトに可動できたものの、本機では動かない固定型モニターとなった。

また、センサーシフト式のボディ内手ブレ補正は非搭載。手振れ補正は電子式のアクティブ補正のみでこちらは動画撮影時に利用できる。コンパクトカメラに採用されることの多い内蔵NDも本機では非対応だ。

デザインから読み取れるのは、徹底した小型軽量化への執念だ。センサーシフト式の手振れ補正や、可動式のモニターがないかわりに、ボディは非常にコンパクトで突起がほとんどない。もともと軽量だった前モデルのRX1R IIと比べても、より重さが削られている。基本性能を底上げして、バッテリーも大きくなっているにもかかわらず軽量化を実現していることに開発陣の並々ならぬ意欲と努力を感じた。

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筆者が普段愛用してる私物のフルサイズミラーレス一眼カメラ、キヤノンEOS R(画像右)との比較。同じフルサイズカメラ・35mmレンズでも、大きさや重さの差は歴然。軽やかな撮影体験がRX1R IIIの大きな魅力だ

高画素センサーとツァイスレンズによる描写性能

実際にこのカメラでどんなものが撮れるのかを見ていこう。特筆すべきポイントはその解像感だろう。6100万画素のイメージセンサーで記録される風景写真は非常に精細で、トリミングしても細部までしっかり描写されていることがよくわかる。

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1枚目の画像から切り出したのが2枚目の画像。建物のディティールがきちんと描写されているのがわかる。絞りF8で撮影。クリエイティブルック:FL3
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きめ細やかな描写性能は絞り開放でも存分に発揮されている。絞ったときと比べるとやや描写がゆるくなるものの、とてもきめ細やかに記録してくれる。

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ガラスコップや飲み物の透明感が伝わるほか、コップの表面についた小さな水滴のひとつひとつまで繊細に描き分けられている(絞り開放F2で撮影)。クリエイティブルック:FL3
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フルサイズセンサーということもあって被写界深度はとても浅く大きなボケが印象的だ。一方でピント面はシャープに記録されるので、クリアな質感とやわらかい立体感を両立した写真表現が可能だ。

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被写界深度はとても浅くピントが合う範囲はごくわずかだ。それでいてフォーカスしたところは精細に写ってくれるので、撮影者の見せたいところに視線を誘導する構図をつくりやすい。絞り:F2.8、クリエイティブルック:FL3
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カラーも魅力で、RX1R IIIは全12種類のクリエイティブルックを搭載。なかでも注目なのが新しく搭載されたFL2とFL3だ。以前から人気だったFilmLookのバリエーションで、いずれも青や緑の色味が特徴的。FL2はコントラストがやや高めで落ち着いた発色、FL3はコントラスト抑えめでクリアな発色が魅力だ。個人的にはFL3が好みで、写真も動画もこのFL3を中心に撮影を行った。

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画像左は標準的な「スタンダード」、画像右は新しいクリエイティブルック「FL3」で撮影。空の青や木々の緑の色が特徴的だ
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RX1R IIIに搭載されているレンズは「Zeiss Sonnar T 35mm F2」。前モデルRX1R IIで好評だったレンズを踏襲している。小型のレンズで、フォーカスの駆動でも前玉が繰り出すことがなく非常にコンパクトにまとまっている。

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レンズには絞りリングを搭載しており、AモードやMモードで絞りを調整する際にはこのリングを回してF値を変更する

マクロ撮影にも強いのがこのレンズの特徴だ。レンズのリングを回して「マクロモード」に移行すると最短撮影距離20cmを実現。このときの最大撮影倍率は0.26倍となる。

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マクロモードなら被写体に近づいて撮影できるのでディティールをよく見せることができる(この写真はマクロモードかつ50mm相当にクロップ)
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芝生についたキラキラとした水滴まで写すことができる
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マクロモードにするとほんのわずかに前玉が前面に突き出る。レンズ先端からの距離だと約14cmまで被写体に近づくことができる

補正なしではわずかにたる型の歪曲が見られるが、カメラ内のレンズ補正で簡単に補正することができる。

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画像左が歪曲補正なし、画像右が歪曲補正あり
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逆光の状況でもほとんどコントラストや色のりが落ちることなく撮影することができた。ただしコントラストの差が激しいところでは色収差が見られる。

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光で撮影。絞りF2
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先ほどの画像をクロップしたもの。コントラスト差のあるところではフチに紫や青の偽色が見られる
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玉ボケは基本的にはきれいな丸い形で柔らかい。ただし画面端では楕円形が目立つことがある。

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逆光で撮影。画像左は絞りF2、画像右は絞りF4で撮影
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高感度での画質についても見ていこう。

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こちらの写真はISO1600で撮影。ここから一部をトリミングして、感度別に並べたのが下の画像だ
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ノイズや画質の劣化に対する許容度は個人差が大きいが、筆者の感覚としてはISO6400でも実用的に見える。最近はRAW現像ソフトのノイズ処理機能の発達が目覚ましいので、状況次第ではそういったソフトの力を借りるのも有用だろう。

十分なダイナミックレンジを有しているので、夜景のような明暗差のある場所でも撮影を楽しむことができた。

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花火の撮影。左が撮って出しのJPEG。ハイライトが飛んでしまっていたがRAWファイルから補正することで色情報を取り戻すことができた(画像右)
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スナップシューターとしての実用性

以上見てきたようにRX1R IIIは非常に優秀な描写性能を持つ。だが本当の魅力は、これだけ高性能なカメラを気軽に持ち歩いて軽快に撮影を楽しめるところにある。それこそがRX1R IIIならではの独自の価値だ。

小型軽量なボディはもちろんのこと、心地よい撮影体験に寄与しているもののひとつに「ステップクロップ撮影」がある。これは高画素センサーを活かして、撮影時にクロップしてより望遠の画角で撮影する機能だ。ボタンひとつで焦点距離50mm相当や70mm相当の画角に切り替えられる。通常の35mmで約6000万画素あるので、50mm相当のクロップでも約2900万画素、70mm相当のクロップでも約1500万画素ほどのサイズで記録できる。

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画像左が35mmで撮影、画像右が同じ場所から70mm相当のクロップで撮影
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クロップを使うと中望遠レンズのような一部を切り取る写真表現ができて面白い。実質3本のレンズを持ち歩いてるような感覚でとても気持ちよく撮影を楽しむことができた
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個人的には35mmという焦点距離が、家族や友人など近しい間柄の人を撮るのにちょうど良く日常のスナップに最適だと感じている。フルサイズセンサーで撮る人物写真は人肌や瞳などをきめ細やかに描写してくれてとても気持ちが良い。

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赤ちゃんのすべすべしたスキントーンや、やわらかい体つきの質感までしっかり記録してくれる。こんな写真を日常的に気軽に撮れるのがRX1R IIIの大きな魅力だ
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高性能なミラーレス一眼カメラだと、ついレンズを交換したり様々なアクセサリーを追加することで、より多様な表現をしたり、撮影の利便性を高めようとしてしまう。

一方でRX1R IIIは高性能でありつつも、「コンデジとしての割り切り」があることで気楽に撮影することができた。ネガティブに言えば「諦め」なのだが、実際にカメラを用いているとむしろ機材について考えることが減り、撮影に集中することができてとても心地よかった。

手軽に美麗な動画を撮れるカメラ

RX1R IIIは動画撮影用途としても魅力的なカメラだ。最大の記録解像度は4K30P。ハイフレームレートで撮影したい場合はHD1920×1080で最大120Pの撮影ができる。

また画質をほとんど落とすことなくズームできる「超解像ズーム」に対応。4Kで約1.5倍、HDで約2倍までズームできる。Log収録にも対応しており、S-Log3で広いダイナミックレンジを確保して自由なカラーグレーディングを行うこともできる。なお、フィルター径は49mmで、NDなどのフィルターを自由に取り付けることができる。

筆者はクリエイティブルックのFL3で動画撮影を試してみた。2分ほどの映像にまとめたのでぜひご覧いただきたい。

作例ショートムービー

動画撮影の場合は、アクティブ補正で手ブレを抑えられるのでしっかりカメラを構えて撮るぶんには比較的安定した映像を撮ることができた。とはいえ歩きながら撮ったり片手で構えるなどのラフなスタイルで撮るにはブレの補正が足りないので過信は禁物だ。

個人的にはRX1R IIIで撮れる映像は非常に美しく日常のワンシーンを特別なものとして記録できるのでとても気に入った。VLOGCAMやアクションカメラのようにラフに撮ることには向いていないが、カットひとつひとつを丁寧にじっくり撮るスタイルであればVlogやホームビデオを気軽に撮影するカメラとして十分な適性があると感じた。

他機種との比較・立ち位置

実際のところ、RX1R IIIの比較対象となる立ち位置のカメラはあまり市場に存在しない。近しいポジションとしては、例えば富士フイルムの「X100VI」や「GFX100RF」などがある。いずれも大型のイメージセンサーを搭載したレンズ一体型のコンパクトカメラで、それぞれAPS-Cとラージフォーマットの製品だ。

しかし、ソニーと富士フイルムではカメラの目指す方向性が異なる。RX1R IIIは、フルサイズのイメージセンサーなのでX100VIとGFX100RFの中間に位置する。それでいて質量はAPS-CのX100VIよりもわずかに軽い。

  • 富士フイルム GFX100RF:ラージフォーマット 約1億200万画素、約735g
  • 富士フイルム X100VI:APS-C 約4020万画素、約521 g
  • ソニー RX1R III:フルサイズ 約6100万画素、約498g

※質量はバッテリーと記録メディアを含む。

X100VIの場合、やや重くなるかわりにボディ内手ブレ補正や可動式のモニターを搭載しており、利便性に配慮されている。独自のフィルムシミュレーションのカラーも他社のカメラと差別化される大きな要因だ。

GFX100RFは、ラージフォーマットセンサー搭載のカメラなので、より大型・高級でやや趣の異なるカメラとなる。

RX1R IIIは、フルサイズセンサー搭載ながら非常にコンパクトで軽量な点が光る。センサーサイズに対して、カメラの質量はストイックなまでにスリムだ。また最新のAFシステムにより、優秀な被写体認識でカメラ任せでピント合わせが非常に快適なところも見逃せない。ソニーのクリエイティブルックも、筆者個人の印象からすると富士フイルムに負けない魅力的なカラーだと思う。

総評・結論:フルサイズを軽快に持ち出せる唯一無二のカメラ

ソニーRX1R IIIは、フルサイズセンサーのコンパクトカメラという希少な立ち位置にあるカメラだ。特に徹底してまで小型化・軽量化されたデザインは唯一無二のカメラと言っていいだろう。

およそ60万円という価格を考えると、センサーシフト式の手ブレ補正がないことや、モニターが固定式で動かないことなど、利便性に欠ける明確な短所があることも事実だ。高性能なことは間違いないが、決して万能なカメラではないということを理解して購入を検討したほうが良いだろう。

筆者も最初はそういったカメラの欠点を憂慮していたのだが、実際に手に取ってみると、良い意味で予想が裏切られた。手振れ補正や可動モニターなどの機能の省略はあまり気にならず、むしろその割り切りにより撮影や映像表現に集中することができたのだ。このカメラで撮れるものだけを撮ろうと思えるちょうど良さ。そんな魅力がこのカメラにはあるように感じた。

YouTubeでソニーRX1R IIIの魅力と欠点について語った。作例写真も豊富に掲載しているので、気になる方はぜひご覧いただきたい。

ソニー RX1R III 作例写真まとめ:Sony RX1R III – Photo Garage – AKIRA ODA


尾田章|プロフィール
カメラのある日常の楽しさを発信する"くらしフォトグラファー"。カメラ機材の使い方、写真の撮り方などをYouTube、運営ブログ「KOBE FINDER」にて"Aki"として初心者にもわかりやすく解説。