今回のIBCでは、AJAのKiPro miniタイプの、撮影時にカメラ連動で収録するポータブルレコーダーの新製品が多く出品された。またユーザーも小型でカメラ回りに簡単に取り付けられ、しかもProRes対応などの汎用性の高いものを待ち望んでいたところで、どの製品にも注目が集まっていた。そこである一つの視点を持って会場に点在する「ポータブルレコーダー」とその他会場で気になるものをいくつか取り上げてみた。

NINJA

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ATOMOSの『NINJA(ニンジャ)』は、10bit収録のProRes422で収録できる手のひらサイズレコーダー。112×83×40mmという小型サイズで、ソニーバッテリー/2ラージパックで最大18時間駆動する。ビデオ入力は、HDMIで、1080i/59.94,50と、1080/24p,23.98、720p/59,94、50、その他SD480i、576iをサポート。ディスクは2.5インチのノートブック用HDDかSSDを、『ATOMOS マスターキャディ』という特殊なパッケージに入れてカートリッジ式で選択可能。HDDは300GB/500GB/750GBの3タイプ、SSDは128GBと256GBの2タイプで、HDD750GBでProress422 HQで7.5時間収録が可能。SSDの256GBでは約2.5時間収録が可能だ。

http://www.atomos.com/

cinedeck EXTREME

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NABで紹介された、8/10bit非圧縮4:4:4/4:2:2レコーダーcinedeckは早くもバージョンアップして『cinedeck EXTREME』となった。こちらバージョンアップの内容もProRes、AvidDNxHD、cineformに対応したことで大幅に利用価値が高まった。色もシルキーブラックに変更。

A-cam dⅡ

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NAB2010ではLVCC近郊のホテルで密かにデモを行っていたスウェーデン製の非圧縮RAWフォーマット収録HDカメラA-cam dⅡ。厳密にはポータブルレコーダーではないが、そうとらえても良いコンパクトさを撮り備えている。マウント+10.6×6mmのCCD+ビューファー+バッテリー&メモリーカード格納部分を長さ30cm/幅7〜8cmの筐体に詰め込んだ。レンズマウント別の4つのラインナップとなっており、展示されていたのはPLマウント、ライカ、Nikonの3タイプ。バッテリーはソニーの標準バッテリーを内蔵して駆動する。メディアはP2HDカードサイズで1辺の角をカットしたようなアルミダイキャストな変則台形型。シルバーの160GBの標準タイプで34分のRAWデータ収録が可能。ゴールドの80GBタイプもある。

ここからは、IBC会場内でも気になってたものを紹介していこう。

DOLBY

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会場内でひときわ目立っていたブースデザインはDOLBY!12月に公開されるディズニーの1982年の名作「TRON」が『TRON LEGACY』としてリメイクされ、最新のVFXを搭載して3D版で蘇ってくる。ブース内ではこの予告編も最新のDOLBYサラウンドでホームシアターセットとシアターで上映。12月17日の世界同時公開が楽しみだ。

ARRI

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人気のALEXA を中心に様々な撮影スタイルで紹介。3Dリグは3REALTY。

AMBIENT RECORDING

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iPad,iPhone,iPod touchに対応したTIMECODE アプリはドイツのAMBIENT RECORDING社から。ここはその他サウンド系の面白いツールが盛りだくさん。

NHK

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NHKが毎年恒例のスーパーハイビジョン(約8K)シアターを上映。毎日行列ができる人気で、今年はアムステルダム中央駅前のビルの屋上にスーパーハイビジョンカメラを設置。そこからの生中継映像をシアター内でも見せていた。サウンドも22.2マルチチャンネルサウンドで収録。

FORscene

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NLEもついにクラウド時代。昨年も出展していた英国のFOBIDDEN Technology社のクラウド型NLEシステム『FORscene』。プロキシ編集をオンラインで行うソリューションは、すでにBskyBなどで実績もあるようだ。

取材・文:石川幸宏 構成:編集部