CES一般公開初日で大きな注目を集めていたのが新グローバルEV「Honda 0シリーズ」を発表したホンダのプレス発表だ。
記者発表では、次世代EVへの新たな決意を示すゼロをモチーフにした新「H」マークが世界初公開され、Honda 0シリーズのコンセプトモデルとして「SALOON(サルーン)」、「SPACE-HUB(スペース ハブ)」の2台がUnveilされた。これらは2026年より北米市場を皮切りにグローバル展開される。披露されたのはコンセプトモデルだが、プロダクションモデルもほぼ同様のものになるとのことで期待が高まる。
Honda 0シリーズでは新たな開発アプローチ「Thin, Light, and Wise(シン ライト アンド ワイズ)」を軸に以下の5つのコアバリューを提供する。
- 共鳴を呼ぶ芸術的なデザイン
「環境、社会、ユーザーとの共鳴」をテーマに、見る者の共鳴を呼び起こし、暮らしの可能性を拡げるサステナブルなモビリティを提供する。 - 安全・安心のAD/ADAS
「人間中心」という哲学のもと培ったHondaの安全思想をベースに、AI、センシング、認識判断、ドライバーモニターといった知能化技術の進化により、人の感性に近い、自然で高精度な危険予測を可能とし、安全・安心な自動運転の実現を目指す。
これにより、高速道路における自動運転領域を拡大するとともに、現在、高速道路のみで使用可能なハンズオフ機能を、一般道でも一部利用可能とすることを目指し開発を進めている。 - IoT・コネクテッドによる新たな空間価値
Honda独自のビークルOSを軸とするIoT・コネクテッド技術により「運転して楽しい、使って楽しい、繋がって楽しい」という価値の提供を目指す。使えば使うほどクルマとユーザーが親密になり、生活のさまざまな場面において「繋がる楽しさ」を提供する。 - 人車一体の操る喜び
Honda独自の電動化技術とダイナミクス技術により、軽快で、⼼も⾝体もクルマと⼀体になる⾼揚感を得られる次世代の操る喜びの提供を目指す。 - 高い電費性能
エネルギー効率を突き詰め、高い電費性能を実現していく。
また、EVの普及において課題となる「充電時間」や「バッテリー劣化」への不安に対しても、ストレスフリーな充電性能と、長年使用しても性能劣化が少ない安心のバッテリー性能を提供する。20年代後半に投入するHonda 0シリーズモデルでは、15%~80%急速充電時間を10~15分程度に短縮するとともに、100万台を超えるリチウムイオン電池搭載車の膨大な走行データをベースに培ったバッテリーシステム制御技術により、使用開始から10年後のバッテリー劣化率10%以下を目指す。
Honda 0シリーズを象徴するコンセプトモデル「SALOON」「SPACE-HUB」
SALOON
Hondaらしい低全高でスポーティーなスタイルは、その魅惑的なデザインだけではなく、外観からは想像できないほどの広い室内空間も両立している。ステア・バイ・ワイヤの採用に加え、Honda独自のロボティクス技術で培った姿勢制御などのモーションマネジメントシステムをさらに進化させることで、さまざまな走行シーンにおいてドライバーの思い通りのコントロールの実現を目指し、0シリーズのフラッグシップとして、EV時代における究極の「操る喜び」を追求している。
また、内外装にサステナブルマテリアルを採用するなど、ユーザーや環境との共鳴を呼ぶ、独創的なモデルとなっている。
SPACE-HUB
Honda 0シリーズ共通のデザイン言語のもと、「人々の暮らしの拡張」を提供することをテーマに開発したモビリティ。どこかステップワゴンを想起させるような外観でありつつも、Thin, Light, and Wiseの開発アプローチにより、広々とした空間と見晴らしの良い視界を実現し、「ユーザーの『やりたい』に即座に応えるフレキシブルな空間を備えるSPACE-HUBが、人と人、人と社会をつなぐハブとなり共鳴を生み出す」という思いを込められている。