
エーディテクノは、NAB 2025にて、Dante AV Ultra対応の新製品「DAV-01シリーズ」と「DAV-02シリーズ」を展示した。
実はエーディテクノにとってNAB 2025への出展は今回が初。ISE・InfoComm・IBCなど欧米の国際展示会で数々のアワードを受賞し、すでに海外市場で高い評価を獲得している製品を引っ提げての展示となった。
現地レポート動画
Dante AV Ultra対応、12G-SDI搭載の「DAV-01」

展示されたDAV-01シリーズは12G-SDIおよびHDMIに対応したDante AV Ultraエンコーダ / デコーダである。フロントには2インチのLCDパネルを搭載し、映像プレビューや音声レベルメーターの確認が可能。ライブイベントや中継現場など、高い信頼性と即応性を求めるプロフェッショナル用途に適している。
特筆すべきはその超低遅延性能である。理論上0.5フレーム未満という遅延値を実現しており、SDI伝送と同等のタイミングで運用できる。既存のDanteオーディオネットワークとシームレスに統合可能で、Dante ControllerやDante Domain Managerといったツールにも対応している。以下は、デモ展示時のモニター画像。左がオリジナルソース、右がDante AV Ultra経由で出力された画となるが、フレームの差はほとんどないように見える。

さらに同シリーズには「ファーストスイッチングモード」という映像切り替え時に黒画面が挟まれないスムーズなスイッチングを実現する機能を搭載。従来のハードウェアスイッチャーと同等の操作感が得られる。

設備用途に最適な「DAV-02」も発表

参考展示されたDAV-02シリーズは、DAV-01の機能を簡略化したエントリーモデルである。12G-SDI端子やLCDパネルを省略してHDMI入出力に特化した構成となっており、ファンレス設計により静音性が高い。
常設の設備用途や省スペース環境への導入に適しており、基本的なLEDインジケーターでシンプルかつ安定した運用が可能だ。
Audinateのソフトウェア「Dante Studio」にも対応

会場ではAudinateによるソフトウェア「Dante Studio」への対応も紹介された。Dante AV Ultraで伝送されたビデオ信号をPCへ直接取り込むことが可能で、ネットワーク経由による映像ワークフローの柔軟性を高める。
会議システムや教育現場、リモート配信などPCベースでの映像運用において、Dante AV Ultraと「Dante Studio」の組み合わせは、より柔軟で効率的なワークフローの構築に貢献しそうだ。
製品展開と今後の展望
DAV-01シリーズは2025年2月より出荷を開始済みで、DAV-02シリーズは近日発売予定である。映像・音声のIP化が進む現状において、オーディオで実績を築いてきたDanteネットワークを映像面に拡張する製品として、エーディテクノのさらなる動向に期待したい。