
Nextorageは、昨年から継続してNAB 2025へ出展。同社のブースにおいて注目されたのは、放送局向けに開発が進められているSecure SSD「NX-PFS1PRO」シリーズの展示だ。

このポータブルSSDは3つの特徴を有する。その1つはモニターの搭載である。外観は通常のポータブルSSDと同様であるが、特筆すべき点としてモニターを搭載している。画面には、最初に「10Gbps、Bus Power 3000mA」という文字が表示される。Type-Cには規格やケーブルの種類が複数存在し、転送速度も異なる。例えば充電用のものを使用すると、期待される速度が出ない場合がある。現場のADがそのことに気付かず使用した場合、納品遅延といった事態が発生する可能性がある。この画面により、現在接続しているホストとの帯域幅や電流値が一目で確認でき、適切なパフォーマンスが発揮されているか否かを判断できる点は利便性が高いと言える。

次の画面に表示される「Drive Health」では、SSDの経年的なパフォーマンス低下などの異常を検知し、健康状態を知らせる機能が備わっている。

さらに次の画面では、「Unlocked」と表示されている通り、セキュリティー機能に関する情報が示されている。

別の画面では、一般的なベンチマークソフトによるリードとライトの速度を表示して確認できるようになっている。

「NX-PFS1PRO」の2つ目の特徴は、セキュリティー機能である。ロック機能は複数の認証方式に対応している。ロック状態ではアンロックアプリが表示され、それを用いてアンロックが可能となる。これは一般的な利用方法である。その他、特徴的な認証方法としてNFCカードがあり、これを読み取り部にタッチすることでマウントが可能となる。この場合、専用のアプリケーションは不要である。

これにより、SSDの利用端末がAndroidやiPhone、あるいは書き出し機能を持つカメラであっても、NFCカードをタッチしてアンロック状態にすれば使用できる。端末から取り外すと自動的にロックされるため、その後のワークフローにおいてセキュアな取り扱いが可能となる。QRコードを経由した解除方法も用意されている。PCだけでなく、NFCカード、Wi-Fi、スマートフォンからのアンロックに対応している点も、大きな特徴と言える。
3つ目の特徴として、近年のiPhoneやAndroid端末、MacBookやMacBook ProなどType-Cポートの数が限られている状況への対応が挙げられる。充電しながらSSDを使用する場合など、ポートが不足することがある。そのような状況において、このSSDに電力を供給すると同時に、接続された他のデバイスへ電力を供給することが可能である。

これにより、ポートを一つしか消費しない状態で、長時間の使用においてもバッテリー切れの心配なく利用できる。特にiPhoneなどでは利便性が高いと考えられ、この機能はPDパススルーと呼ばれている。
