
NAB 2025の富士フイルムブースでは、「GFX ETERNA」に加え、2025年3月26日に開発発表された4K対応放送用ズームレンズ「FUJINON LA30x7.8BRM-XB2」の展示も注目を集めていた。
近年、富士フイルムの放送用レンズはPLマウントのシネマズームレンズ「Duvo」シリーズが中心となっていたが、2025年中の発売が予定されているB4マウントレンズは久しぶりの登場となる。
富士フイルムの4K対応放送用ズームレンズにおいては、UAシリーズがフラグシップモデルとして展開されているが、新たに高画質と手頃な価格を両立させたLAシリーズがラインアップに加わる。

LA30x7.8BRM-XB2は、2/3型センサーを搭載した放送用カメラに対応し、焦点距離7.8mmから234mmの範囲をカバーする。全長190mm、質量約1.8kgと小型軽量である点を特徴としている。新開発のドライブユニットにより、ズーム、フォーカス、アイリスの位置情報を高精度に検出することが可能であるため、バーチャルプロダクションやリモート撮影といった用途に適している。

UAシリーズとLAシリーズの違いとして、テレコンバーターの非搭載や、操作系アクセサリーの仕様などが挙げられる。しかしながら、光学性能は高く、この価格帯を実現している点は注目に値する。また、30倍という高倍率でありながら、コンパクトなサイズであることも特徴として挙げられる。
補足として、LAシリーズには「LA16×8BRM」という、Blackmagic URSA Broadcast専用に開発されたFUJINON 4K B4レンズとのカメラレンズセットが存在していた。今回の「LA30x7.8BRM-XB2」の開発発表に合わせ、LAシリーズとして独立販売される予定もあるという。

Blackmagic DesignのURSAシリーズにおいてはB4レンズの利用が可能であり、この点はB4マウントレンズを使用する現場やユーザー層の拡大に繋がっていると考えられる。今回の新製品も、価格的にURSAシリーズと組み合わせて使用できる水準になると予想される。もちろん他のカメラでの使用も可能であり、注目される新製品の登場といえる。
