中国・北京で開催中の「BIRTV 2026」。会場を歩いていて、まず「いつもと違う」と感じたのがYC Onionのブースだった。NABやInter BEE、CP+でも見かけるメーカーだが、中国で開催される展示会でYC Onionの出展を見るのは今回が初めての筆者からすると、今回の展示ブースはかなり大きく感じられた。三脚や一脚、ドーリー、ジンバル関連アクセサリー、さらにレンズまで、かなりのスペースを使って製品を並べていた。

担当者によると、中国国内の主要展示会では、この規模のブースを構えるという。海外展示会では比較的コンパクトな出展を見ることが多かっただけに、北京で見るYC Onionはかなり印象が違う。

DJI RSシリーズ向けの新型バッテリーハンドル

最初に目を引いたのは、DJI RSシリーズ向けの新しいバッテリーハンドルである。

DJI RSシリーズ専用のマウントを備え、グリップでありながらバッテリーとしても機能する。さらにD-Tapを搭載し、撮影システムへの電源供給にも対応する。担当者の説明では、DJI RS 3、RS 3 Pro、RS 4、RS 4 Pro、RS 5などへの対応を想定しているという。

ジンバルはカメラやレンズ、周辺アクセサリーを組み合わせていくと、電源周りが複雑になりやすい。グリップそのものにバッテリー機能を持たせ、D-Tapまで用意することで、ジンバルを支えるだけではなく電源システムの一部として使える。ブースでは実際にジンバルと組み合わせて展示されており、狙いが分かりやすかった。

Pineta ProとTako Nanoに対応する一脚用ドーリー

その隣で紹介されたのが、一脚用のドーリーである。Pineta ProとTako Nanoの双方に対応し、従来のPineta Pro専用タイプから対応範囲を広げたモデルだ。

これが個人的にはかなり気になった。撮影スタジオでは、カメラを一脚に載せたままドーリーで移動できる。実際の撮影現場では、「撮る→移動する→また撮る」という動作を一日中繰り返すことも多い。カメラにレンズやマイク、モニターなどを組み合わせた状態で、その都度機材を抱えて移動するのは負担が大きい。一脚に載せたままスムーズに移動できるのであれば、撮影時の負担を軽減できる。派手な機能ではないが、実際の撮影現場を意識した実用的な製品だと感じた。

SongRawのホワイト仕上げ50mm単焦点レンズ

一脚や三脚を見て回っていると、ブース奥で妙に目立つホワイトのレンズを発見した。ここから話題はレンズブランドのSongRawへ移る。

SongRawとYC Onionは戦略的パートナーとして連携しており、今回も同じブースで製品を展示していた。YC Onionは一脚や三脚をはじめとする撮影アクセサリーを展開し、SongRawは光学製品を手掛けている。それぞれの得意分野を今回のブースでまとめて見ることができた。

その中でも、特に注目を集めていたのが、50mm単焦点レンズ「SongRaw AF 50mm F1.2」のカラーバリエーションモデルである。従来モデルとは外装の仕上げを変更した参考展示品で、ホワイトを基調とした外観はブラックモデルとは大きく印象が異なる。近くで見ると、表面の質感や光の反射も印象的だった。

担当者によると、これまでのブラックモデルへの反応を踏まえて、新しい外観を検討したという。価格はまだ決まっていないが、製品化された場合も従来モデルと大きく変わらない価格帯を想定している。ただし、今回の展示はあくまで参考出展であり、発売時期だけでなく製品化そのものも取材時点では未定だ。

それでもホワイトの外装はブース内で目を引き、製品化された場合にはレンズの外観や質感にもこだわるユーザーから注目を集めそうである。

撮影現場の「ちょっと不便」を解決するYC Onionの提案

NABやInter BEEでYC Onionを見慣れていたつもりだったが、北京まで来るとメーカーの見え方が変わった。特に印象に残ったのは、単純なスペック競争ではなく、「撮影機材を付けたまま移動したい」「ジンバルの電源をまとめたい」「一脚をもっと機動的に使いたい」といった、撮影現場で感じる小さな不便を製品に落とし込んでいる点である。

BIRTVの巨大な会場では、カメラやLEDディスプレイ、放送システムといった大型展示にどうしても目が向く。しかし、実際にそれらを撮影する側から見れば、一脚やドーリー、グリップも重要な機材だ。BIRTVの会場を歩き回っている最中だからこそ、「このドーリー、今ここで使いたいな」と思えてしまう。その妙に現場目線な製品群が、今回のYC Onionブースで最も印象に残った。