DJIブースで、まだ正式発表されていない新製品を見ることができた。そのひとつが、映像伝送システムの新モデル「DJI SDR Transmission 2」だ。取材時点では日本未発表というだけではなく、中国でも正式発表前のプレビュー段階。ブース担当者によれば、価格を含む詳細な仕様についても、現時点では明らかにできないという。

それにもかかわらず、会場では実機が展示され、実際に映像を伝送するデモまで行われていた。正式発表前の製品を、かなり具体的な形で確認できる貴重な機会となっていた。

送受信機を切り替え可能。1台2役の新しい構成
展示で特に興味深かったのが、DJI SDR Transmission 2の送受信機の構成だ。詳細な仕様については説明できないとのことで、ここからは展示機を実際に確認した範囲と筆者の推測に基づくレポートとなる。従来のワイヤレス映像伝送システムでは、トランスミッター(TX)とレシーバー(RX)がそれぞれ専用機として用意されるケースが一般的だ。しかし、今回展示されていたDJI SDR Transmission 2では、同一ユニットをトランスミッター/レシーバーのどちらとしても使用できるようだ。
本体のスイッチを切り替えることで、TXまたはRXとして動作させられるようだ。この仕様であれば、たとえば同じユニットを5台用意し、1台を送信機、残る4台を受信機として運用するといった構成も可能になるのではないかと予想される。ただし、正式な最大接続台数などについては現時点で明らかになっていない。

送受信機を共通化できれば、撮影規模や現場ごとに必要な構成を組み替えやすい。機材管理やバックアップという観点でも興味深い仕様といえそうだ。
ジンバルに送信機を搭載、iPadへの出力もデモ
ブースでは実際の映像伝送デモも行われていた。送信側のユニットはカメラを載せたジンバルの下部に設置され、そこから送られた映像を受信。会場上部のTVに映像が表示されていたほか、受信機からケーブル経由でiPadへ映像を出力する構成も確認できた。


正式発表前ということもあり、解像度がフルHDなのか4Kなのかといった具体的な伝送仕様については明かされなかった。価格についても未発表だ。また、海外市場での展開についても、ブース担当者によれば取材時点では具体的な計画について案内できる段階ではないという。
実際のデモを見て気になるのは、やはり遅延だ。近年の映像制作向けワイヤレス伝送システムでは、低遅延化が大きな競争軸となっている。今回のデモを見る限り、DJI SDR Transmission 2も低遅延を強く意識した製品であることを期待させる動作だった。ただし、遅延時間を含めた具体的な数値については正式発表前のため公開されておらず、現時点で性能を断定することはできない。
解像度、伝送距離、遅延、対応周波数、接続可能台数など、映像伝送システムとして重要なスペックの全貌は、今後の正式発表を待つ必要がありそうだ。それでも、送信機と受信機を同一ハードウェアで切り替えられるという構成だけでも、DJI SDR Transmission 2が従来モデルから興味深い進化を遂げていることがうかがえる。
正式発表前ながら、実機展示だけでなく実動デモまで行われていたDJI SDR Transmission 2。DJIが次世代のワイヤレス映像伝送システムをどのような仕様と価格で投入してくるのか、正式発表に注目したい。
中国で発表済みの「Osmo 360 II」も展示
DJIブースでは、2026年8月13日に中国で発表された「Osmo 360 II」も展示されていた。日本では取材時点で未発表の製品だ。特徴のひとつが、360°撮影に最適化されたスクエア形状のイメージセンサー。DJIによれば、1インチ相当の360°イメージサークルを確保しながら、一般的な長方形センサーで生じる未使用領域を抑えることで、本体サイズや消費電力の最適化を図ったという。

CMOSの画素配置も360°撮影向けに再設計されており、2.4μmの大画素を維持しながら、ネイティブ8K/60fpsの360°動画撮影に対応する。高解像度と高フレームレートを両立することで、動きの速いシーンでも滑らかで高精細な360°映像の撮影を可能としている。
ネイティブ8K/60fpsへの対応に加え、ダイナミックレンジや低照度性能など、イメージング性能のさらなる向上を図ったOsmo 360 II。中国ではすでに発表されているが、日本市場への展開については今後の正式発表を待ちたい。
