まもなく発売のVictor GY-HM100がやってきた!
昨年のInterBEEではベールに包まれていたVictorのハンドヘルドビデオカメラ。年が明けて、その正体がGY-HM100という名のビデオカメラであることは明らかになったのだが、詳細なスペック・機能などは謎のままだった。
そのGY-HM100の発売前のプロトタイプがSYSTEM5にやってきたので、早速ファーストインプレッションをお届けしよう。
ここのカメラの最大の特徴は、記録方式は他のカメラ同様にMPEG-2 Long GOPなのだが、そのファイル形式にFinal Cut Proでネイティブに扱うことができるQuickTime(for Final Cur Pro)のMOVファイル形式(※1)と、MP4ファイル形式の2つの形式を採用した点だ。
Final Cut Proユーザーは、トランスコードに手間をかけることなく、カードに撮影した素材はMacにコピーすれば、即座に編集作業に取りかかることが出来る。また、Windows環境のノンリニアソフトウェアでも、MP4ファイル形式で記録すれば対応ソフトウェアでそのまま読み込むことが可能だ(※2)。また商品にはビューワーソフトウェアのProHD clip managerが付属している。ノートPCなどを現場に持ち込めば、撮影した素材ビューワーとして活用できる。
※記事初出時、ProHD clip managerは初回出荷時ダウンロード提供され、後日出荷より同梱と記述致しましたが、初回出荷時より同梱されます。お詫びして訂正させていただきます。
※記事初出時、ProHD clip managerは初回出荷時ダウンロード提供され、後日出荷より同梱と記述致しましたが、初回出荷時より同梱されます。お詫びして訂正させていただきます。
35MbpsのHQモードにMP4というファイルラッピングでピンと来るのが、SONYのXDCAM EXだが、Victorは昨年9月にXDCAM EX互換のファイル形式を採用することを発表しており、今回のGY-HM100にもそのファイル方式を利用しているものと推測される。
余談だが、今回の試用に際してメーカーのプレゼンテーションがあり、その中で披露されたProHD Clip Managerのスクリーンキャプチャーが、SONYのXDCAM EXのクリップブラウザに酷似していたことからも推測できる。
記録モードは19MbpsのSPモード、25MbpsのSPモード、35MbpsのHQモードの大きく3種類。各モードごとに解像度やフレームレートの異なる設定が用意されている。35Mbps HQモードの1440 60i/50iを除く記録モードではMOV、MP4両ファイル形式の選択が可能だ。
HQ mode(35Mbps) | SP mode(25Mbps) | SP mode(19Mbps) | |
1920 x 1080 | 60i/50i 30p/25p/24p |
||
1440 x 1080 | 60i/50i (MOV only) |
60i/50i | |
1280 x 720 | 60p/50p/30p/25p/24p | 60p/50p/30p/25p/24p |
音声記録は各モード共に16bit/48KHzのLPCM非圧縮記録が可能となっている。HDVのようにMPEG圧縮ではないので、音質劣化も気にならない。
カメラ本体には、A/B 2機のSDカードスロットを備えている。Aスロットから記録をはじめ、満容量まで記録すると自動的にBスロットに切り替わる。このまま撮影中にAスロットのカードを差し替えれば、Bスロットが満容量になった時にさらにAスロットへと連続記録が可能かと思われるが、残念ながらBスロットで撮影中に一度REC STOPしなければ、Aスロットの差し替えたカードを認識しない仕様になっている。そのため、Bスロットでの撮影中にカードを差し替えた場合、一旦RECストップすればAスロットのカードが認識され、Bスロットが満容量になった時点で、自動的にAスロットへ切り替わるようになる。
ちなみにバッテリーの駆動時間は連続撮影2時間とのこと。HQモードでも32GBで1時間40分の撮影時間なので、A/B両スロットを使用した時点でバッテリー交換にちょうどいい頃合。それほど大きな問題になることはないだろう。
推奨されるSDHCカードはCLASS 6のもの。メーカーでは、Panasonic、TOSHIBA、Sundiskのカードでの使用を推奨している。その他のカードでの使用は推奨されていない。筆者の手元にあったPQI製やADATAのCLASS6カードでも短時間のチェックだったが撮影は可能だった。しかし、大切な撮影には出来る限り推奨カードを使用いただくことをお勧めする。
試しに、速度の遅いMicroSDカードをアダプターを介して挿入してみたところ、起動時に警告が表示され、使用出来なかった。
その他の本体機能だが、フィルター溝はフードを外すと46mmのフィルターネジが切ってある。46mmと最近ではあまり一般的なサイズでは無いが、レンズフードの前面にも72mmのフィルター溝が切ってある。HDVのカメラなどと併用する場合にも便利な場合が多い。
カメラ部はボディを小型化したため1/4″ 3CCDとなっている。1/4″のため、明るさ面は不利だが、CMOS化が進む中でCCDの採用はCMOSに不満を持つ方には朗報といえるだろう。
その他にもフォーカスアシスト機能を搭載しており、機能をONにした際は、ビューファー内が白黒表示になり、合焦した輪郭部に色が付くようになっている。小型ボディのため、液晶サイズも2.8インチとなっているが、そのボディサイズをフォローする最大限の機能が搭載されている。
メーカー希望小売価格で475,000円(税別)と外観から高価に感じられるかもしれないが、コンパクトなボディとはうらはらに、Win、Mac問わずその利便性が感じられ、業務用として十分な性能を備えたカメラといえるだろう。