注目のBlackmagic Cinema Cameraイベントが独自開催された!
Blackmagic Designは、9月28日、東京都中央区の旭倉庫敷地内にある月島スタジオでデジタルシネマカメラ「Blackmagic Cinema Camera」をテーマにしたイベント「TEST DRIVE」を行った。Blackmagic Designから送られてきた招待状を持っている人のみ参加できるクローズドなイベントで、月島スタジオの7stと呼ばれている50坪のスタジオと8stと呼ばれている65坪のスタジオとフリースペースはいつも人が絶えないほど大勢の人が集まっていた。
メインは3組のユーザープレゼンテーション
ユーザーセッションはいつも満席状態で立ち見の人も多かった
イベントのもっとも注目だったのは7stで順番に行われた3組のユーザープレゼンテーションだ。マウントキューの山本久之氏は、Blackmagic Cinema Cameraを使って1本のプロモーションを制作した際のワークフローを解説する「BMCC Workflow」というプレゼンテーションを行った。編集や合成、映像完パケがAdobeのCS6で一元化されているといったところも興味深い内容だった。
マリモレコーズの江夏由洋氏とデジタルエッグの大田徹也氏は、Blackmagic Cinema Cameraで撮影した「innocence」というタイトルのイメージVTRのメイキングをを解説する「次世代のシネマカメラ」というプレゼンテーションを行った。
「次世代のシネマカメラ」でDaVinci Resolveについて答えた大田氏
今回の作品でカラーグレーディングを担当した大田氏はBlackmagic Cinema Cameraの感想について「意外と馬鹿にできない画が撮れるという印象。12bitあるので実はALEXAであったりREDと比べて遜色ないといったら語弊があるかもしれませんが、違和感なくカラコレをすることができました」とコメントした。江夏氏も「編集をしていてREDの素材を編集しているのではないかと思うぐらいの解像感だった」と語った。
手塚一佳氏が行った「ハンディシネカムとしての運用」のプレゼンテーション画面。独自の視点でBlackmagic Cinema Cameraを紹介していた
アイラ・ラボラトリの手塚一佳氏は、低照度でも実用に耐える範囲という実験結果や旅カメラとして使用してみた実例を解説する「ハンディシネカムとしての運用」というプレゼンテーションを行った。特に面白かったのはphotokina 2012の会場に持ち込んだ際の話で、「非常に大人気で、会場で持ち歩いていたら頻繁に声をかけられました。8ミリとか16ミリとかの話をする年配の方が多いことから、持ち運びが気軽にできてなおかつ作品性が高いシネカメラというジャンルが再び必要になっているのでは?」という話をした。
彼らの記事が参考になるので参照されたし。
周辺機器や気になる機能を体験できるデモ
実際に果物や人物撮影が体験できるコーナー
撮影スタジオでライティングをした状態で実際に試用できるというのも今回のイベントの特徴だった。8stでは人物や果物が撮影できるコーナーが設けられていて、そのデモ機にはカールツァイスのコンパクトプライムCP.2 50mmのレンズやARRI製のフォローフォーカスやマットボックスが装着されていた。
Blackmagic Cinema Cameraに対応するARRIのアクセサリーキット「Ready to Shoot Kits」
ARRI製のリグは、ケージシステムが1点止めの割には頑強でぶれがないことや、Thunderboltなどのボディから伸びるケーブルをクリップして断線しないように保護する「ケージケーブルセーフ」も用意されているのも特徴だ。このイベントで使用されているデモ機には、ZACUTO、Redrock Micro、chroszielといったBlackmagic Cinema Cameraに対応するあらゆるメーカーのリグを見られるのも必見だった。
人物撮影のデモ機に搭載されていたコンパクトプライムCP.2 50mm
手前と奥の石像でボケ足を確認できるようになっていた
8stで行われていたもう1つのデモが、ボケ足を確認できるコーナーだ。Blackmagic Cinema Cameraはセンサーが小さいのでそれほどぼかすことはできないのではないか?と思われる方も多いようだ。しかし、実際には十分にぼかせるということを体験できた。取材時にはEF50mm F1.2Lが装着されていたが、リクエストすればEF24やEF35などのLレンズに交換することも可能になっていた。
DaVinci ResolveとArtist Colorによるデモンストレーションが行われていた
DaVinci ResolveやAvidのコンパクトなコントロールサーフェス「Artist Color」を使った現場でのカラーコレクションのデモも行われていた。Interceptorの田巻源太氏が来場者のいろいろな質問に答えていた。
コンサートなどを想定したステージではDJ UppercutによるDJプレイも行われていた
フリースペースでは、DJブースが設置されていてコンサートなどを想定した撮影を試すことができるようになっていた。ARCAMやROXCYC、1kWパーストロボといった照明を使ってコンサートのステージを再現して、Blackmagic Cinema Cameraで撮影を体験できるというものだ。カメラから入力された映像は25インチのモニター「PVM-2541」で確認できるようになっていた。
ZephyrでBlackmagic Cinema Cameraを軽々とコントロールしていた
ステディカムの「Zephyr」と組み合わせたデモも行われていた。Zephyrはステディカムの中でも中型機のベストセラーモデルだ。カメラから入力された映像は、Air Tube Proという無線伝送のユニットを使ってモニターに映像を表示していた。カメラはいろんなところに移動しながらも、ワイヤレスで遅延なしのような感覚でモニターに表示されるのも面白かった。
スレッドにBlackmagic Cinema Cameraを搭載した様子。カメラ後方についているのが無線ユニット「Air Tube Pro」だ
今もっともホットな話題のカメラ
18時という遅めの時間のスタートだが、食事が用意されているというのも印象的なイベントだった
今回のイベントは食事つきという映像業界にはあまり見られないパーティースタイルのイベントで、Blackmagic Design初のシネマカメラに対する意気込みが十分に伝わってくる内容だった。来場者にカメラに対する評価を聞いても前向きな意見が多いのも印象的だった。マイクロフォーサーズ対応のセカンドモテルの発表もあいまって、しばらく映像業界のホットな話題の製品になりそうだ。