txt:稲田出 構成:編集部
今年もプライベートショー開催!8K関連機器を軸とした展示
6月14~15日の2日間、東京・大田区にあるアストロデザイン本社ビルにて「PRIVATE SHOW 2018」が開催された。PRIVATE SHOW 2018は毎年同社の製品や技術を披露するイベントとなっており、製品を開発した担当者が直接説明員としていることから、かなり専門的な質問にも対応できるようになっている。
今回のPRIVATE SHOW 2018ではNABで発表された新製品のほか、現在開発中および研究中の技術展示だけでなく、業界のキーマンによるセミナーも同時開催されており、最先端の技術を知るための絶好な機会となった。なお、同プライベートショーは7月12~13日に大阪・北区にあるグランフロント大阪のナレッジシアターにおいても開催予定。
技術展示されていた8K60p非圧縮動画再生装置
技術展示の再生装置は12枚のSSDから並列読み出しすることで8K60p RGB 12bitの非圧縮動画再生およびU-SDI出力に対応。開発目的として8K対応のシグナルジェネレータ用として開発したもので、SSDに各種測定パターンなどが収録される。最近の圧縮コーデックは動きや色などアルゴリズムが複雑でパラメータも多くなっているので、こうしたコーデックに対応した動きのある標準パターンが開発されることで、圧縮コーデックの評価が定量的に行えるようになると思われる
開発中のマルチフレーミングカメラHC-4502。時間分解能1億枚/秒(10ナノ秒)で連続10枚撮影できる高感度高速度マルチフレーミングカメラ
HC-4502に搭載されている撮像素子
この撮像素子は裏面照射マルチ電荷収集ゲートセンサ写真の図のような構成になっている。構造上マイクロレンズアレーがなくても有効エリアが大きく高感度となっている
1画素にある6フレーム分の電荷収集ゲートと画素メモリをもち撮影パルスを順次与えることで撮影を行う。撮影された映像はモノクロだが、3板式にすることでカラー化も可能と思われる
8Kビデオサーバー。8K240pの4時間連続ループ収録と同時再生に対応のSR-8428および8K60pの8時間連続ループ収録と同時再生に対応したSR-8438。いずれもGrass Valley HQX Codecを搭載しており、高画質で長時間の収録を実現
8Kビデオサーバーは収録中のクリップの登録や編集、削除のほか複数クリップを組み合わせたプレーリモートコントローラーによる可変速スロー再生が可能
8K非圧縮長時間収録装置GP-8001。YCbCr 4:2:2 60pで最大約9時間の収録が可能で、DPXファイル変換もできる
GP-8001はクリップカット編集やプレイリスト機能などを装備
4KインサータHD-1679。2系統のライン入力に対して最大8系統のスーパーを合成して出力するインサータ(DSK)装置
写真の専用リモートコントローラーのほかWebブラウザによる操作や設定が可能で、プレビュー出力のダウンコンバート、スーパー入力のアップコンバート、色域変換なども可能
INSIGHT LASER 8K Imaging by ASTROによる3D上映。今回は、プロジェクターを2台使って8K 3D映像を上映。コンテンツは、NHKメディアテクノロジーとNHKエンタープライズによるプロジェクト「8K:VR」シリーズおよびアストロデザイン制作の8K120p映像が上映された
INSIGHT LASER 8Kは光源に高輝度レーザー使用することで25,000lumensを実現。HDRにも対応。アストロデザインと台湾Delta Electronics社および同社グループ傘下の英Digital Projection社の3社共同プロジェクトにより開発されたもの
8K編集ファイルベースワークフロー。Grass Valley HQX Codecによりファイル転送時間を短縮することで、効率的なワークフローを実現することができる
シャープの8Kカムコーダー8C-B60A。昨年のInterBEE2017でシャープとアストロデザインは共同ブースで出展し、同カメラをお披露目した。8C-B60AはショルダータイプのカメラでENGスタイルでの収録に最適
8K120Hzに対応したカメラヘッドAH-4801。AH-4801は8K RAW SSDレコーダーHR-7516や、カメラコントロールユニットAC-4813/マスターコントローラー、カメラヘッドアダプターAT-4812と組み合わせることにより様々な運用が可能
カメラヘッドアダプターAT-4812により、カメラコントロールユニットAC-4813/マスターコントローラー間で約1kmの長距離伝送に対応
セパレート型8K小型カメラCM-9010-A。8Kカメラヘッド部をさらに2つに分離することで機動力をより一層高めたもの
セパレート型8K小型カメラCM-9010-Bとフィッシュアイレンズを組み合わせたVR撮影収録システム
CM-9010-Bは顕微鏡や内視鏡などの医療用機器と組み合わせることで、8Kによる高精細な画像を得られる
8K SSDレコーダーHR-7518-A。120Hz対応モデルで非圧縮のほか、Grass Valley HQX Codecに対応。簡易編集やリレー録画機能などを搭載している
マルチメディアスキャンコンバーターMC-2086による8K/4K/2K切り出しシステム。1Dot単位でキャンパス(バス)から抜き取る位置を設定できるほか、出力ウインドウ毎にフレームの色をつける事が可能
8Kから4KおよびHDへの切り出しの実演デモ
8K120p RGB444対応のコンバーターSC-8220およびSC-8221。SC-8220は12G-SDI対応、SC-8221はU-SDI対応となっている
8K対応55型LCDモニターDM-3815。120Hz対応のほかBT.2020色域に対応。入力はU-SDIおよび3G-SDI
88型8Kシートディスプレイ。NHKおよびLG Displayの協力により開発された有機ELタイプの次世代ディスプレイ
アストロデザインが代理店を務めることになったPOSTIUM社のディスプレイラインナップ。ラックマウント対応のPRM-702A、PRM-503A、PRM-102Fのほか、HDR対応4Kモニターの9/17/24/31型などを展示
12G-SDI信号発生器VG-886。12G/6G/3G/HD/SD-SDIの信号に対応。カラーバーやクロスハッチ、マルチバースト、Rampなどの豊富なテストパターンを出力可能
セミナー会場では名古屋テレビ放送による「メ~テレにおける8Kの取り組み」や、アストロデザインによる「8KとHPCが実現する深層学習による超解像」などが開催された