txt:岩沢卓(バッタネイション) 構成:編集部
対談型のライブ配信ができる収録スタジオを備えた「バレッドスタジオ」
株式会社グローバルキャスト ゼネラルマネージャー 大坪和也氏
教育事業を展開するグローバルキャストが、川崎市の商業施設「ラ チッタデッラ」内にライブ配信ができる収録スタジオ「バレッドスタジオ」を開設。教育分野におけるライブ配信の意義や機材選定のポイントなどについて、株式会社グローバルキャスト ゼネラルマネージャーの大坪和也氏にお話を伺った。
対談型のライブ配信ができる収録スタジオを備えた「バレッドスタジオ」には、Panasonic GH4を中心としたミラーレスカメラによるシステムが組まれ、自動スイッチングによって無人での配信・収録が可能になっている。
――スタジオ開設の背景について教えて下さい。
教育コンテンツのプロデュースを行なっている中で、eラーニングの可能性を感じていましたが、授業風景をただ記録しただけのものでは、学生に興味を持ってもらうことは難しいです。収録スタジオなどを構築したことがありましたが、編集作業に時間もコストも掛かってしまい、良質なコンテンツの量産という意味で、課題を感じていました。
2年前に開催されたヒマナイヌの川井さんのセミナーに参加して、ライブ配信のためのスタジオを作るための構想を具体化していきました。
スタジオ構築用に手配された機材
――特にこだわった点は、どういったところになりますか?
これまでの動画コンテンツでは、収録環境の緊張感からか本来の先生の魅力を引き出すことが難しいという面がありました。そこで、先生がリラックスできることを重要視してスタジオを構築しています。
ヒマナイヌ川井さんにスタジオコンサルティングに入っていただき、スタッフや機材の存在感をできる限りなくし、リラックスして自然に収録や配信が行えるように、機材構成を含めたシステム部分からお願いしました。
自動スイッチングを用いることで、編集の作業を減らすことが出来たのもポイントになりますね。
――スタジオだけでなく実際のスクールも併設されているのですね。
これまで、子ども向けパソコン教室「バレッドキッズ」など数多くのスクールを運営してきた実績もあるので、プログラミングやSTEAMをはじめとしたICT分野のスクールとして対面の授業を行いながら、その様子をライブ配信することも可能になっています。
受講生の子どもたちがキャスターになった番組制作などもカリキュラムに盛り込んでいく予定です。
――コンテンツ流通の面では、どういった工夫をされていますか?
すでに、自社運営をしている教室が100あるので、そこで視聴することが出来ますし、オンライン学習サービス「バレッドアカデミー」も運営しております。
スタジオ運営スタッフと談笑
――これからどんなコンテンツを制作していくのですか?
メインとなる教育コンテンツはもちろんですが、商業施設内にスタジオを開設したことで、新しい分野でのサービス提供も予定しています。
例えば、ラ チッタデッラ内には結婚式場もありますので、ウェディングにも関連したコンテンツづくりを準備しています。親子や夫婦での対談形式コンテンツなど、常設機材の強みを活かして、短時間でのコンテンツ制作支援がポイントとなると考えています。
また、ビジネスシーンでも動画活用の重要性は改めて注目されていますので、社内向けコンテンツとして、社員の生い立ちを番組化してみたり、社内報の動画版を自社メディアとして制作し、将来的なパッケージ化を予定しています。
――将来的な展望について教えてください。
いま、教室における先生の役割がファシリテーター的役割に変化してきていると感じています。教室に常駐する先生・スタッフの役割が、オンラインにいる専門分野の先生と生徒との関係を繋ぎ、信頼関係を構築していくと思います。
オンライン教室とオフライン教室の役割がハイブリッドな環境がここには存在していますので、オンデマンド・ライブ・リアルをミックスできる場所として、評価されるような場所にしていきたいと思います。