9月30日から10月4日まで行われる最先端IT・エレクトロニクス総合展 “CEATEC JAPAN 2008″(シーテック ジャパン)をSYSTEM5 PRONEWSがレポートします!

新着情報
  • 2008.10.02 各ブースレポートを追加しました。
  • 2008.10.01 各ブース動画を追加しました。
  • 2008.09.30 CEATEC JAPAN 2008開催。会場写真掲載しました。
  • 2008.09.24 CEATEC JAPAN 2008スペシャルレポート掲載予定地を掲載しました。
2011年7月以降のハイビジョン視聴環境へ/リプレイス市場に向けた取り組みが加速

IT・エレクトロニクス・デバイスの総合展示会であるCEATEC JAPAN 2008が、9月30日から5日間にわたり、幕張メッセで開催されている。天候がすっきりしないことも影響していることもあるが、30日28,842人、1日34,639人と参加者は出足は決して良いとは言えない(昨年の初日は33,241人・2日目41,617人、一昨年の初日は31,237人・2日目41,114人)。出展社数を見ても、海側のホール1から8だけで足りるほどで、配られるマテリアルや袋をとってみても、必要最低限という感じで、企業に余裕は感じられない。不況の足音はかなり大きくなってきていることが感じられた。

とはいえ、出展各社の展示は、2011年7月に迫ってきた地上デジタル放送完全移行後を見据えた次世代視聴環境に市場の関心が移り始めていることを感じさせるものとなった。CEATEC JAPANの華と言えば、やはりディスプレイ環境だ。昨年までは、最初に購入するデジタルハイビジョン環境として、表示解像度やディスプレイサイズで競ってきたが、今年はデジタルハイビジョン環境のリプレイスも狙い、次世代視聴環境に開発の主軸が移ったことを感じさせた。ディスプレイは、薄さの追求と画質向上、ワイヤレス視聴といった機能・環境面を押し出した出展となった。今秋登場のモデルは特に薄型となったことから、設置形態の自由度が増している。さらに、無線によるハイビジョン視聴環境に対応することで、プレーヤーとディスプレイを接続する必要もないワイヤレス環境を実現したことで、これまでのテレビとDVD・ビデオ環境は一体というスタイルから脱却しつつあることがうかがえる。大型ディスプレイは壁面に負担をかけることなく設置できるようになり、ビデオ再生環境は、部屋の片隅の目立たない位置に設置するというスタイルが当たり前になっていきそうだ。

 

CEATEC JAPANでディスプレイとともに注目を浴びていたのは民生用ビデオカメラであったが、昨年まで進化し続けてきたAVCHDによるフルHD・テープレス環境で、一段落してしまったようだ。今年は会場からほとんど姿を消してしまったのが印象深い。これは、PC環境も影響しているのかもしれない。H.264ベースのAVCHDは、圧縮伸長に重たい処理を必要とするコーデックである。カメラの記録においてはファイルサイズを画質を保ったまま小さくできるメリットはあるが、編集面ではハイスペックなPCを使用しても扱いにくいほどだ。PCのスペックは年々向上しているものの、一般ユーザーがどのPCを使用しても気軽にAVCHDを編集できるほど、敷居は低くない。AVCHDビデオカメラの性能向上は、使い勝手面が中心になっており、新製品としてアピールするほどのメリットが少なくなってしまったと言えるだろう。

昨年まではHD DVD陣営と熾烈な争いを繰り広げていたBlu-ray Disc陣営だが、今春に次世代ハイビジョンメディアとしての決着を見た。今年のCEATEC JAPANでは、一段落してホッとした雰囲気が感じられた。ブルーレイレコーダーもブルーレイプレーヤーも本格的な普及期に向けて画質向上がはかられていたが、ディスプレイの性能向上の方によりスポットが当たったようだ。次世代ハイビジョンメディアとして、開発にさらに力が入っていくのはこれからだろう。来年のCEATEC JAPANが楽しみになりそうだ。CEATEC JAPANにPC環境はあまり出展されないが、次世代ハイビジョンメディアがBlu-rayに決まったことでの展開を期待したが、ウルトラモバイルPC、ノートPC系の取り組みが中心で、Blu-ray搭載を打ち出すものは少なかった。

ワイヤレス視聴環境については、各社がそれぞれの提案をしているので、どのメーカーの機器でも組み合わせて視聴できるようになるまでには、まだしばらくかかりそうだ。方式決定には時間が必要かもしれないが、視聴者が必要としない方式は生き残らないことは、Blu-ray対HD DVDでも明らかだ。今年のCEATEC JAPANは、ハイビジョンがスタンダード化する2011年以降の次世代視聴環境が整い始めた年になったと言えそうだ。


SONY – 有機ELディスプレイが進化し、27型もお目見え

ソニーは、有機ELディスプレイの最新成果を参考出展した。プラスチックフィルム上に有機薄膜トランジスタ(有機TFT)と有機EL素子を集積化して作った有機TFTフルカラーELディスプレイや、ガラス基板を採用しながらも厚さ0.3mmを実現した超薄型有機ELパネル、27型にまで大型化した有機ELテレビ(写真)を技術参考出展した。液晶ディスプレイのBRAVIAは、パネルのエッジ周辺から発光して?一な明るさを実現するエッジライトLEDを使用して、薄さ9.9mmを実現していた。


Panasonic – 距離画像センサーを使い壁面全体を情報表示パネルに

10月1日から社名を、松下電器産業から変更したパナソニック。パナソニックは次世代の視聴環境として、リビングの壁一面をディスプレイとして使用するLife Wallを参考出展した。

距離画像センサーを使用し、空間でのハンドジェスチャーを認識して画像の大きさを変えたり、画像をつかんで移動したり、センサーからの距離を身長を使用して測って画像を見やすい大きさに変更することができる。電話やインターネットと組み合わせて、テレビ電話や情報端末としての性格も持たせた。


Pioneer – Blu-ray Discドライブも進化し、年内発売の各社PCに搭載か

パイオニアは、PC・周辺機器用のBlu-ray Discドライブのラインアップを参考出展した。

早ければ年末発売のPC・周辺機器に搭載されるという新ドライブは、3.5インチベイ用のBD HH Writerと、ノートPC・モバイル周辺機器用のBD Slim Writerの2種類だ。BD HH WriterはBD-R/BD-R DL書き込み8倍速、BD-RE/BD-RE DL書き込み2倍速、BD Slim WriterはBD-R/BD-R DL書き込み4倍速、BD-RE/BD-RE DL書き込み2倍速となる。このほか、Blu-ray技術を応用した超多層光ディスクを使用した光ディスクシステムを技術参考出展。16層400GBの再生信号のデモを行った。20層500GBも実現する予定だ。


三菱電機 – 液晶パネルとステーション部を分け、インテリア性向上

三菱電機は、次世代の視聴環境として11月下旬に発売予定の薄型ワイヤレス液晶テレビREAL LF2000と、HDD内蔵フルハイビジョン ブルーレイディスクレコーダーBF2000を紹介した。

REAL LF2000は、液晶モニター部からチューナーなどのステーション部を独立させた。ステーション部は幅・高さ18cm、奥行き約30cmのミニコンポサイズ。BF2000は、このステーション部と同サイズ・同一デザインにすることで、部屋の中のインテリアとしても成立させている。ワイヤレス伝送に使用する無線は5GHz帯。


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CEATEC JAPANとは

CEATEC JAPANは、世界最先端の技術・製品・サービスが発表され、国内外の業界関係者を始めとする、幅広いユーザから大きな関心をもたれている最先端IT・エレクトロニクス総合展。部品・デバイスから完成品まで多岐にわたる展示構成と、業界をリードするキーパーソンがメッセージを発信するコンファレンスは、国内外のメディアからも注目を集めている。CEATEC JAPANは毎年秋に幕張メッセにて開催され、今年は9月30日から10月4日が会期。

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